第二十話
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
俺は自分の部屋に戻っていた。貼り紙のおかげかただ単に朝早かったからか分からないが、誰かと遭遇することはなかった。
これを良かったと言うか残念と言うかは知らないが。(無論だが、俺は良かったと言おう。)
さて、いつもならこれから走りに行くのだが……どうも身体が重い。
「やっぱり疲れてんだろうな……。」
いつもなら寝たらすぐに疲れも取れるのだが、かなり緊張してたからだろう。
「だからといって二度寝ができるわけでもなし……。」
完全に覚醒しちゃってるもん。
「これはどうするかな……。」
俺は少し考えながら、窓の外を見てみた。
「…………………嘘だろ。」
俺の部屋は海側に接していてるのだが……、そのそばの道を走っている人影がひとつ。
「化け物かよ…………。」
半袖にハーフパンツという動きやすい格好に、いつもの眼帯。
木曾だった。
木曾は、恐らく百メートル走だったら十二秒位のスピードで走っていた。あのペースに着いてくの大変なんだよな……じゃなくて。
「………そういえば、今日は調べ物しなきゃな。」
アイツの事について。
アイツがなんであそこまで強さにこだわるのか。それを調べてみろって言われたんだった。
無論だが、調べなくても良いのだろうが……それは俺のプライドが許さない。
取り合えず。
「走りますかね……。」
木曾が走っているのに俺が走らないのは何となくだが悔しい。
俺はドアノブを掴んだ。
―二時間半後 大会議室―
「んで、木曾と一緒に走り込んできた、と…………バカだろお前。」
机に突っ伏している俺に天龍は容赦なく言い放った。
「いや、だって、木曾にできるから、俺でもついて、いけるかと。」
「うん、やっぱりバカだろ。」
それでもやっぱり容赦は無かった。厳しい。
「出撃から帰ってきて、その翌日にトレーニング始めるとか、俺は木曾位しか知らねぇな。」
まぁ、今日はもう一人いたがな、と天龍は付け加えた。嬉しくねぇ。
「お、もう来てたんだ。早いな。」
噂をすればなんとやら。そう言って俺達の近くの席に座ったのは、木曾だ。
「お疲れさん、今日はこのあと調べもんだろ?」
「……まぁな。」
俺は木曾の顔を改めて見た。よく見てみると、なかなか整った顔立ちをしている。
「ま、精々頑張ってみな。探し出せたからと言って何かあるわけでもねぇけどな。」
何も期待してねぇよ。
そんなことを思ったとき、大会議室の扉が開いた。提督と大淀さんだ。
「敬礼!」
俺達は立ち上がって、提督
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ