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大淀パソコンスクール
様子がおかしい

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て、盛大な雄叫びを上げやがった。こいつの非殺傷兵器みたいな叫び声は、俺の鼓膜に致命的なダメージを与えてきやがる。こいつ、絶対おれの話聞いてない……。

「うるさい! 川内うるさいっ!! 声でけぇえ!?」
「だって夜戦だよ!? カシワギせんせーと夜戦できるんだよ!?」
「だから夜戦じゃないって言ってるだろうが!!」
「うっはぁああああ! 私何使おっかなー……単装砲もいいけど……魚雷も捨てがたいし……」
「人の話は最後までちゃんと聞けって!!」
「あ! せんせーは夜戦不慣れだろうから、連装砲貸してあげるね!?」
「お前、俺に何をさせる気だ!?」
「んじゃ私はハンデでソナーと爆雷でも……でもこれじゃ対潜装備だから……」
「暴走とめろ!! そのノンストップインフェルノ夜戦の段取りを止めろ!!」
「んじゃ私、おにぎりにしとくよ!!」
「兵器からお弁当への極端なステップダウンはなんだ!? 何があった!? つーか飯だからな!? あくまで飯だからな!?」
「わかってるわかってる! で、夜戦は二人でご飯食べた後でしょ!?」
「お前絶対分かってないし、理解するつもりも無いだろ!?」
「うはぁぁあああ!! カシワギせんせーありがとー!! 夜戦だぁぁあああ!!」

 俺の話が全く耳に届いてないらしい川内は、信じられない力で俺の両肩を掴み、ガクガクと前後に激しく振って、自分の喜びをアピールしていた。病み上がりの俺にとって、そのダメージはとても大きく、前後左右激しくに揺さぶられるおかげで、若干気分が悪くなってきた……。

 でも。

「よぉぉおおし!! んじゃ、今日のカレンダーも気合い入れて作るっ!!」
「ま、まぁ気合が入ったのはいいことだ」
「なんせこれも夜戦だからねっ!!」
「どれだけ幅広い意味があるんだよ夜戦って!? 文脈で判断するのも限度があるぞ限度がッ!?」
「いくよぉぉぉおおお……ゲーッホ!! ゲッホゲッホ!!」

 確かにいっつもこいつは賑やかだしうるさいが……これだけ喜んでくれるのなら、提案した甲斐があるってものだよ。嬉しさで大騒ぎしすぎてむせたみたいだけど。今もむせ続けてるけど。

「と、とりあえ……ゲッホ!! このカレ……グホッ!?」
「なんだ大丈夫か?」
「だいじょぶだいじょ……ゲホッゲホッ! ちょっとむせただけ……ゲーッホ!!」
「とりあえず落ち着けって。そしたらまた、カレンダー作りに戻ってくれぃ」
「げふん!? げふんッ!? り、りょうか……げふっげふっ」

 咳が収まり落ち着いたところで、川内はキラッキラの笑顔のまま、来月のカレンダーを作り始めていた。もうね。なんか目から吹き出し見えてるもん。『早く夜戦の日にならないかなー?』ってセリフがね。見えるもん。

「ニッヒッヒッ……げふんっ…
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