暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
様子がおかしい

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ずなんだけど……なんか遅いな……。

「ソラール先生、ちょっといい?」
「? どうしたモチヅキ殿?」

 一方、そんな俺達の向こう側では、モチヅキさんと神通さんとソラール先輩の、Excel教室が繰り広げられている。

「えっとね先生。ここに写真を入れたんだけど……」
「ああ」
「それで、写真を丸く切り抜きたいんだけど、そんなこと出来る?」
「出来る。『書式』タブの『トリミング』というところの、下向き三角をクリックしてみてくれ」
「ほいほい」
「クリックしたら、『図形に合わせてトリミング』という項目があるから、その中から好きな図形を選択すれば、その図形の形に切り抜けるはずだ。今回は丸を選べば、モチヅキ殿の理想の形になるだろう」

 ソラール先輩の説明を受け、『ほうほう……ここ?』と言いながらマウスをカチカチと操作していくモチヅキさん。俺はタムラさんが入力をし始めたのを見計らい、その様子を見学しようとモチヅキさんとソラール先輩の席へと移動し、画面を見た。

 モチヅキさんのExcelの画面には、一年の気温変動のグラフと、一枚の桜のイラストが表示されていた。モチヅキさんはソラール先輩の指示通り、イラストが選択された状態から書式タブをクリックし、図形の形にイラストをトリミングしていた。

「ぉおー。できたできた」
「相変わらず、モチヅキ殿は操作が鮮やかで優秀だ」
「何を仰る。ソラール先生の腕がイイからですよぉ」
「俺も、太陽のように朗らかで優秀なあなたを導くことが出来て、光栄だ」

 ただ丸く切り抜くだけであれば、図形のスタイル設定を使えば、周囲をぼかした状態で丸く切り抜くことが出来るのだが……そうではなく、モチヅキさんは単純に丸い形に切り抜きたかっただけらしい。そうならば、俺は余計なでしゃぱりをする必要はないだろう……そう思っていたら。

「……で、モチヅキ殿。実はもう一つやり方がある」
「そうなんですか?」
「ああ。今回は図形の形に切り抜いたが、先に図形を書いてしまって、その中にイラストや写真などの画像をはめ込むことも可能だ」
「へー……」

 『ちょっとマウスを拝借……』と、ソラール先輩はモチヅキさんのマウスを操作に、真円の図形を描いた。そして、『書式』タブの『図形の塗りつぶし』から『図』を選択し、『太陽.png』という画像を選択する……

「見てくれモチヅキ殿。このように、図形の中にイラストが入った」
「本当だねー。こりゃ、ソラール先生の太陽じゃないかー」

 丸の中に入った画像……それは、見間違うはずがない……先輩の鎧と盾、どこかしこに描かれた、アンニュイな表情の、気が抜けた太陽のイラストの顔部分だった。まさかこの男……

「あとは……」
「ほお?」

 続けてソラール先輩は太
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