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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第594話】
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事に満足そうに目を細めたスコット。
舐めるような視線で改めて彼女等の肢体を見ていた。
イヤラシイ目付きに嫌悪感を抱く未来に対してエレンは毅然とした態度で――。
「それでは我々には準備があります。 そろそろ御自身の席に戻られては如何だろうか?」
「む? ……まあ良いでしょう。 では私はこれで、お二人の健闘を祈ってますよ」
踵を返して去っていくスコットに、珍しく未来は怒りの表情を露にした。
「もう! 何が適性よ! 普通あれだけ連戦連勝するなんて無理だからねッ!! エロオヤジ!」
未来の変わりように面を食らうエレン――そんなエレンを見た未来は。
「驚いた? 私だって怒る事もあるよ? ……てかあの人、話に筋が通ってないし」
「それはそうだな。 ……というよりは、何が何でもヒルトを代表候補生にしたくないといった気がしたが」
「それについては……多分だけど、織斑君一人居るからじゃない? 適性の話も出てたし、E適性のヒルトじゃなくB適性の織斑君――それも初代ブリュンヒルデの弟っていう肩書きもあるし。 IS界隈じゃ、織斑先生は神みたいなものだもん。 篠ノ之博士もそうだしね」
「……成る程、ネームバリューというやつか」
小さく頷くエレン、髪をかきあげると緑のロングヘアーが靡く。
「……それならばヒルトは今回ので相当名をあげるだろう。 これだけの連戦に勝利を重ねてきた。 もしこれで代表候補生になれないのであれば少なくとも異論は出るだろう」
「……だけど、確かヒルトの条件って専用機持ち全員勝利でしょ? 何か、一戦でも負けたら多分……」
そこまで口にして言葉を止めた未来、一戦でもヒルトが負けたらさっきの人等は代表候補生選出を認めない気がした。
一方、ヒルトの方は補給を手早く終えて休んでいた。
『主君、少し良いだろうか?』
そう言って声をかけてきた雅、ヒルトの目の前にホログラフィックで姿を現した。
「……話は構わないが、そんな機能、コアについてたか?」
『こ、これか? いや、その……母君様が付けてくれたのだ。 わ、私と話がしたいからという理由で』
「母さんが? ……まあ何と無くわかるが、その状態で出てきたら皆慌てそうだからなるべくなら誰もいない時にな」
『う、うむ。 それでな、主君。 ……また会えて、私は嬉しい』
「ん? ……ははっ、それは俺もだな。 ……またよろしくな」
『は、はいっ!』
花開く様な笑顔を見せた雅、真っ赤な髪は情熱を感じさせた。
スッ……と消える雅――次の戦いももしかしたら二対一かも――いや、絶対二対一になるはずだとヒルトは思った。
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