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大淀パソコンスクール
色々な意味で予兆

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……」
「……」
「……川内」
「ん?」
「今なんて言った?」
「せんせーがね! 夜戦に付き合ってくれるって!」

 俺の顔をまっすぐ見ながらそう答える川内の顔は、東京タワーもびっくりの100万ドルの笑顔だった。しかも川内の瞳は、香港の夜景よろしく、キラッキラに輝いていた。

「あほー!! いつおれがそんなこと言ったぁアアアア!!」
「えー! だってさっき言ったもん!!」
「なんて言った!? 俺はなんて……げふんっ……返事したー!?」
「私が『あとで夜戦しよう』て言ったら、『んー』って!!」
「どこからどう聞いても生返事以外の何者でもないだろうがッ! げふっ……つーか何をやるんだよ夜戦って……げふっ」
「えーと……代わりばんこで主砲撃って……お互いが沈むまで撃ちあって……」
「死んでしまいます川内さん。そんなことしたら、カシワギ先生はひと握りの肉片と化して、死んでしまいます」
「主砲が苦手なら魚雷もあるけど、カシワギせんせーはどっち使う?」
「どっちもいらんっ! どっちを使おうがお前にミンチにされる未来しか見えんっ!」
「大丈夫だって! だからあとで夜戦しよ!!」
「無理無理無理無理ぜったい無理ぜったい無理! げふっえふっ!?」
「ぇえ〜……さっきはすんごいキリッてした顔で『んー』って言ってたのに……」
「それは脊髄反射みたいなものだって分かってるよな!? その言葉に俺の意思が乗ってないのは、お前も気付いてるよな!?」
「カシワギせんせーのウソツキー」

 なんとでも言えいっ。肉片となって命を散らすより、嘘つき呼ばわりされる方がいいわいっ。川内は恨めしそうに口をとんがらせ、不満そうにちゅーちゅー言いながらこっちをジト目でにらみ始めた。その岸田さんみたいな悪い癖を一体どこで身につけたんだお前は……昼間の自作小説を思い出すからやめてくれ。

「いいからやれよッ!」
「ちゅー……ちゅー……あ、そうだせんせ」
「なんだよぅ」
「今日ね。用事があるから、いつもよりも早めに終わりたいんだ」

 さっきは『あとで夜戦しよう』とか言ってたくせに、今度は用事があるから授業を早めに切り上げたいだと……!?

「それは構わんけど……げふっ……夜戦するんじゃないんかい」
「まぁいいじゃんいいじゃん」
「んで、だいたい何時ごろだよ」
「うん。いつもより一時間早く帰りたいんだ」

 一時間早くって……授業は二時間だから、実質半分じゃんか……。

「うん。まぁ分かった。残念だが仕方ない」
「残念!? せんせー、私と夜戦出来ないのが残念!?」

 くっそ……張り倒してぇ……ッ!! 目をダイヤモンドみたいに輝かせて嬉しそうにニッタニタ笑いやがって……!!

「私もカシワギせんせーと夜戦出来ないのは残念だ
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