暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
色々な意味で予兆

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パソコンに向かい、マウスをいじりはじめた。どうやらきちんとスタイル設定をやりだしたようた。

 俺が岸田さんからわざと距離を取り、タムラさんと談笑していたのには、理由がある。この岸田という人は、話を聞いてくれる人がそばにいると、話が止まらなくなるようだ。しかも岸田さんはタチが悪く、その止まらない話の大半は憎まれ口だ。

 で、あれこれ考えた結果、こちらの説明が終わったら、問答無用で距離を離してみようという結論に至った。こちらが岸田さんの話を聞いていると、彼は延々と不平不満をこぼし続け、作業をしなくなる。それは本人も得るものがないし、こちらの精神衛生上も良くない。ならば距離を離して様子を見てみようというのが、俺が出した結論だ。

 結果は上々だ。岸田さんは文句を言うことなく、自分の小説に対するスタイル設定を一生懸命行っている。やっぱり話を聞いてくれる人がそばにいると、色々話しちゃうんだね。んでブーストがかかって、憎まれ口しか出てこなくなる……と。

 しばらく時間を開けたところで、岸田さんの背後からそっと、画面を覗き込んでみる。……うん。操作方法も間違ってない。大丈夫だ。

「出来たよ。全部スタイル設定した」
「はい。んじゃ、ここからスタイル設定の真骨頂を見せます」
「もったいぶらずに教えてよー……」

 くそっ……やっぱり話に付き合ったら、こちらのメンタルを逆撫でしてきやがる……ッ!

「んじゃ『表示』タブの『ナビゲーションウィンドウ』て項目を探して下さい」
「はいー……えーと、これ?」
「そうですよー」

 その『ナビゲーションウィンドウ』てのにチェックを入れると、画面の左側に、普段は表示されないウィンドウが表示される。そこに表示されるのは、今しがたスタイル設定した一連のタイトルと見出しだ。それらが階層で表示される。

「ぉおっ。今スタイル設定したやつのリストが出た!」
「色が変わってるところあるでしょ? それが、今カーソルがある話数になってます。つまり、今自分がどこの話を書いてるのかが一目で分かる仕組みです」
「ほうほう」
「逆に、話を確認したい話数のところをクリックしてあげると、その話数に飛びます。前書いた話を確認したいときとか便利ですね」
「なるほどぉ……」

 そういい、岸田さんはナビゲーションウィンドウに表示されてる見出しを色々クリックしていた。本当に小説の執筆に役に立つかどうかはよく分からないが、文句がないところを見ると、機能そのものには関心しているようだ。

「ついでに言うと、そのリスト、ズリズリっとドラッグしてあげれば順番も入れ替えることが出来ます。しかも本文ごと」
「そうなの?」
「試しにナビゲーションウィンドウの中の話数の順番、ドラッグで入れ替えてみてください」
「ほいほ
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