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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
18.ルグルー回廊
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灯り一つない暗闇の洞窟にカタコトの呪文が壁に反響する。すると仄白い光がリーファの体を包むと、すっと視界が明るくなる。
「暗視能力付加魔法か。スプリガンも捨てたもんじゃないわね」
シルフ領から世界樹へと行くための最大の難所。ルグルー回路にたどり着いたリーファたち。
「あっ、その言い方なんかきずつく」
「いいじゃねぇか。俺なんか魔法使えないんだし」
「シュウ君は使えないじゃなくて使いたくないんでしょ」
リーファがそう詰め寄るが大げさに手を振って、
「いやいや、本当に俺の場合は魔法が使えないんだって」
そこまで頑なに使いたがらないということは何か理由でもあるのだろうか。追求しようにもシュウのことだからはぐらかされて終わるのがオチだ。
「でも、使える魔法ぐらいは暗記しといた方がいいわよ。得意なのは幻惑魔法くらいだけど」
「……幻惑?」
「幻を見せるの。実戦ではあんま使えないけどね。まぁ、スプリガンのしょぼい魔法が生死をわける状況だってないとも限らないし」
「……うわー、さらにきずつく」
曲がりくねった洞窟をさらに下っていく。いつの間にか入口の光は見えなくなっていた。
「うええーと……アール・デナ・レ……レイ……」
「機械的の暗記するんじゃなくて、力の言葉の意味を覚えて魔法の効果と関連を付けて暗記するのよ」
リーファがいうとキリトはがくりとうな垂れる。
「まさかゲームの中で英語の勉強みたいな真似事するとは……」
「言っとくけど上級スペルなんて二十ワードくらいあるんだからね」
「うへぇ……。俺もうピュアファイターでいいよ……」
「泣き言言わない!」
洞窟に入ってすでに二時間近くが経過した。十回は超えるオークとの戦闘も二人のおかげで難なく切り抜けることができ、スイルベーンでもらった地図で今のところは迷うことなく順調に進んでいる。
スペルワードに悪戦苦闘しているキリト。それを茶化しているシュウ。何故、二人とも世界樹を目指すのか理由はわかっていない。
キリトが人を探しており、それをシュウが手伝っているようにも見えるがどこかそんな単純な話ではない気がする。しかし、彼らは世界樹だと言った。アルンで人探しというならわかるが、世界樹となると不可能だ。
今一度、二人にそれを聞こうかと思った時、メッセージを告げる音が響いた。
「あ、メッセージ入った。ごめん、ちょっと待って」
「ああ」
立ち止まり、メッセージウインドウを展開。先ほど入ったフレンドメッセージを確認する。
誰から来たメッセージかは見るまでもなくわかった。やはりレコンだった。
『やっぱり思った通りだった。気をつけて、s』
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