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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
18.ルグルー回廊
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先どれだけ戦闘を続けても勝負は見えている。何度やっても同じ結果が続くだけだ。
それなのに二人は諦めることなく何度も炎に呑まれながらも立ち上がり、剣を、槍を振るう。回復魔法を虚しく唱える。
これはゲームだ。こんな局面に至れば誰だって諦めるのが当然だ。負けるのは悔しいけれど、システム上の動きである以上どうしようもない。
これ以上見てられなくなって、リーファは二人の背中に叫んだ。
「もういいよ、シュウ君、キリト君! またスイルベーンから何時間か飛べば済むことじゃない! 奪られたアイテムだってまた買えばいいよ、もう諦めようよ……!」
だが、二人はわずかに振り返ると、押し殺した声で、
「「嫌だ」」
二人の声が重なる。
「俺が生きている間は、パーティーメンバーを殺させはしない。それだけは絶対嫌だ」
「諦めてたまるかよ……まだ生きてるんだ。だから仲間を死なせたりするか、絶対に!」
リーファは言葉を失って立ち尽くした。
結局これはゲームなのだから皆が擬似的な《死》に慣れていく。
だが、この二人は違う。この世界で必死に生きようとしている。瞬間、リーファはここがゲームだということを忘れた。
「「うぉおおおおおお!!」」
二人は叫び、そびえ立つシールドの壁に無謀な突進。キリトは強引に作り出した防御壁の隙間に大剣を突き立てて無理やりこじ開ける。シュウは強引な連続攻撃でシールド兵をジリジリと後退させていく。その狂乱の攻撃は陣形をわずかだが崩していく。
「チャンスは今しかありません!」
いつの間にか小妖精のユイが右肩に掴まっている。
「チャンス……!?」
「不確定要素は敵プレイヤーの心理状態だけです。残りのマナを全部使って、パパへの次の魔法攻撃を防いでください!」
リーファはこくんと頷いてスペルを詠唱。相手のスペルよりもわずかに早く無数の小さな蝶が飛び出すと、キリトの体を包み込んでいく。
直後、敵も詠唱を完了する寸前にシュウが翅を展開して飛び上がると数十本の短剣をオブジェクト化するとメイジ部隊目掛けて雨のように降り注がせる。
最後の詠唱を邪魔されて数人の魔法がキャンセルされる。しかし、完成した火球がシュウとキリトを襲う。
「パパ、今です!!」
「いけ、キリト!!」
ギリギリのHPで耐えきったシュウが倒れそうになりながらも叫ぶ。
紅蓮の炎の中、キリトは剣を掲げ、呪文を唱えている。
───これは……幻影魔法!?
それはプレイヤーの見た目をモンスターに変える幻影魔法だ。だが、それは実戦向きではない。なぜなら、変化する姿はプレイヤーの攻撃スキル値によってランダムに決定されるのだ。大抵は雑魚モンスターになってしまう上、ステータスの変動がないこ
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