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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
18.ルグルー回廊
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。重い金属音を響かせながら敵集団はもう目視できる距離まで迫っている。先頭、横一列に橋いっぱいに並んだ巨漢のサラマンダープレイヤーが五人は分厚いアーマに身を固め、左手にメイスなどの武器、右手に巨大な金属盾を携えている。
少し嫌な予感を感じ、隣に立つキリトがリーファをちらりと見て、言った。
「君の腕を信用してないわけじゃないんだけど……ここはサポートに回ってもらえないか」
「え?」
「俺たちの後ろで回復役に徹してほしいんだ。その方が俺たちも全力で戦える」
リーファは二人の剣士を見た。息が合っていないようで互いに信頼し合っているシュウとキリト。数回の戦闘を見てこの二人は言葉を交わすことなく連携を取り合っている場面を何度も見てきた。リーファはこくりと頷き、軽く地面を蹴って橋を遮る岩壁のギリギリの場所まで退いた。
キリトは腰を落とすと体を捻り、巨剣を体の後ろ一杯に引き絞った。重圧でサラマンダーの五人が迫る。
「───セイッ!!」
キリトは左足をずしんと一歩踏み出すと、青いアタックエフェクトの光に包まれた剣が重戦士たちに向けて横薙ぎに叩きつけた。
「えっ……!?」
とてつもない威力を秘めた斬撃はガァーン!!という大音響を轟かせ、タワーシールドを薙いだ。重戦士たちは、わずかに後方に押し動かされただけで攻撃を耐えきった。
リーファは慌ててサラマンダーたちのHPバーを確認した。揃って一割以上減少している。だがそれもつかの間、次の瞬間戦士たちのHPバーが全快する。後方のメイジ部隊が瞬時に回復させている。
「スイッチ!」
キリトの叫びと共に後方へと飛び退いた。シュウが後方から引き絞られた槍をサラマンダーの重戦士目掛けて投げる。ガァーン!!という爆発音にも似た大音響を鳴らし、タワーシールドへと直撃。しかし、サラマンダーのHPバーを二割ほど削っただけで槍は上空へと弾き飛ばされる。
シュウが飛ばされた槍目掛けて翅を広げて飛翔する。上空で槍を掴むと体に捻りを加えて槍を弓で放つように引き絞る。
「うおぉぉぉ───!!」
叫びと共に放たれる、はずだった。その前にシュウに無数の火球が襲いかかる。それはキリトの立つ場所へも降り注いだ。
「シュウ君、キリト君!!」
リーファは思わず悲鳴にも似た叫びをあげた。二人のHPバーは急減少し、一瞬でイエローまで突入。
この敵集団は、間違いなく二人を対策した方法だ。
重装備の前衛五人は一切攻撃せず、ひたすら分厚いシールドで身を守る。そして残る九人が恐らく、全員メイジだ。一部が前衛のヒールを受け持ち、それ以外が火炎魔法で攻撃する。
リーファは使用できる最も高位の回復魔法でヒールする。すぐにHPは充填されるがただの気休めでしかない。
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