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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
18.ルグルー回廊
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雇ってくれるかもしれないし。───今、ここで、あたしを斬っても文句は言わないわ」
するとシュウはわずかに速度を落としてぽつりと呟くように言った。
「所詮はゲームだから何してもいい。そんな奴は嫌ってほど見てきたし、俺も昔はそうだった」
シュウが言葉をつないでいく。
「だけど、そうじゃないんだよな。プレイヤーとキャラクターは一緒なんだ。どれだけ分けて考えたって結局同じ人物なんだよ。仮想世界じゃ確かに痛みを感じないかもしれない。でも、それでも心ってのは結構簡単に傷ついちまうんだよ。だから俺はどんな理由があっても、キミを傷つけたりしない。リーファは俺の大切な仲間だからさ」
「シュウ君……」
リーファは立ち止まる。わずかに遅れて二人も停止する。
言葉にできない感情が溢れてくる。
今までこの世界で、どうしても他のプレイヤーとの距離をとってしまっていた。それはキャラクターとプレイヤーの違いで本当の人の言葉の裏ばかり気にしていたからかもしれない。どう接していいかわからなかった。
だが、この一日は楽しかった。プレイヤーとキャラクターという壁を忘れて思いっきり笑ったり、思いっきり怒ったりすることができた。それはこの二人の不思議な少年に出会ったからだった。
「……ありがとう」
心の底から浮かび上がった言葉。
「あ、あれ……何言ってんだろ、俺」
シュウは急に照れたようにリーファから視線を逸らす。
「ううん、嬉しかった」
するとキリトが数回咳払いをしてから口を開いた。
「いい雰囲気のところ悪いんだけどさ、もうそろそろ急いだ方がいいんじゃないか。ユイ、走るからナビよろしく」
「りょーかいです!」
肩に乗った小妖精が頷く。
「そうだな。ちょっと失礼するよ」
シュウは左手を伸ばし、リーファの右手をぎゅっと掴む。不意の出来事にリーファの心臓がドクンと跳ねた。次の瞬間、シュウとキリトは猛烈なスピードで駆けた。
あまりの早さにリーファの体はほぼ水平に浮き上がり、洞窟を曲がるたびに左右にぶんぶん振り回される。
「わああああ!?」
たまらず悲鳴をあげると前方にモンスターが出現するのが見えた。しかし二人は全くスピードを落とす気配がない。
「わぁ─────っ」
シュウとキリトはモンスターの敵群の隙間を瞬時に見つけ出してダッシュで駆け抜けたのだ。
「おっ、出口かな」
キリトの言葉の直後、視界が真っ白に染まり、足元から地面が消えた。
「ひえええええっ!?」
思わず両眼をぎゅっとつぶり、喚き声をあげながら脚をばたつかせる。すると不意に体を支えられる感覚があった。眼を開けるとリーファの体をシュウが抱きかかえながら飛んでいる。
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