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大淀パソコンスクール
二人は順調

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たし。

 タムラさんの画面を覗く。作成中のプリントはすでに完成寸前だ。あとはプリントの最期にある差出人の部分をプリント右側に持っていけば終わりだが……いつもはここで右揃えの機能を使うんだけど、今回は右揃えではうまく設定出来ない。

「ここの差出人の部分だけどね。これ、単純に右揃えじゃないよねぇ?」
「そうですね。ここは右揃えではなくて、インデントの位置を右にずらして行ってあげましょうか」

 インデントってのは、Wordでは『文字列が始まる位置』を意味する。ホームタブのインデント調整ボタンをボールペンで指し示し、タムラさんにその位置を教えてあげた。

「これを押せばいいの?」
「はい。クリックしたら一文字分だけ右にズレますから、必要な分だけクリックして、右にずらしてあげましょ」
「はい〜」
「選択するのを忘れないでくださいねータムラさん」
「はい〜」

 俺の指示を受け、インデントの調整ボタンをカチカチとクリックしていくタムラさん。よし。これでタムラさんの問題は解決だ。ルーラーのところにあるツマミをドラッグしてもインデントは調整できるのだが、タムラさんはマウス操作が苦手だ。ならば調整ボタンできっかり一文字ずつ調整していったほうがやりやすいはずだ。

 インデント調整が無事終わり、プリントを完成させたタムラさん。『出来たっ』とほくほく顔で喜ぶ姿は、見ているこちらも、とてもうれしい。

「んじゃ印刷しちゃいましょ」
「はい〜。……どうやるんだったっけ?」
「んじゃファイルタブをクリックしてみましょ」
「はい〜」

 タムラさんに印刷の操作を指示した後、プリンタがガチャガチャと動き出したのを確認して、俺は印刷されたプリントを取りに事務所を出る。ソラール先輩も妙な歩き方で教室を出てきた。神通さんのグラフが完成したのかな? 『ガチャドチャリ』って前転も忘れてない。だからなぜローリングするんすか?

「お、貴公も印刷か」
「はい。神通さんのグラフもですか?」
「素晴らしい出来栄えだ。まるで太陽のように眩しいグラフに仕上がった」

 ……どんなグラフだ? タムラさんのプリントと神通さんのグラフの印刷が終了したみたいだ。少し見せてもらう。
<i6856|34044>
 なるほど。ソラール先輩がついていただけあって、綺麗で見やすいグラフに仕上がっている。……眩しく光り輝いてはないが。

「タムラ殿のプリントも綺麗に仕上がったな」
「ええ。ここのところ、タムラさんは操作確認の質問も減ってきてます。自力でなんでも出来るようになってきました」
「恐らく本人にとっては、実力がついてきて今が一番楽しい時期だろう。そのような時間に居合わせることが出来るのは、太陽の戦士として光栄だな」
「太陽の戦士ではないですが、
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