暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
17.世界樹への一歩
[6/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の前の少し開けた場所に止まるとシグルドがデュエルを承認する。

「俺が勝ったらこれ以上リーファにちょっかいかけるのはやめてもらうぞ」

「ふっ、お前が勝つことなど万に一つもないから安心するんだな」

 ブロードソードを構える。シュウはまた小さくため息を吐くと左手に槍をやや前に出して右手をわずかに後方に引き、長剣を握っているという変則的なスタイルで構える。
 どこかで見たことがある気がする。しかしそんな変則的な構えをするプレイヤーがいれば覚えていないわけがない。

「なんだそのふざけた構えは……冷やかしならやめておけ」

 確かにシグルドの言うことも一理ある。このALOの世界において二本の武器を実践の戦闘に使用することに到達したプレイヤーをリーファは知らない。なぜなら両手で握った二本の武器を高度の連携させて操るのが恐ろしく難しいのだ。
 それに片手で武器を扱うよりも両手で武器を扱った方が威力が出る。剣道の二刀流ように片方でガード、もう一方で攻撃と言うならわからなくもないがそれならば使い慣れた同一の武器でいいはずだ。加えて言うならば、片手剣や槍といった同一武器を二本使うならばまだ理解できるがシュウのように違う武器を使う変則スタイルなど普通に考えれば戦い方としては成立しない。
 だが、初めて会った時に感じた。シュウの本来のスタイルだと思ったのも事実。

「ふざけてもねぇし、それにお前ごときに二本も抜いてやるんだ。ありがたく思え」

「その減らず口、叩き斬ってやろう!」

 互いに睨み合う緑の妖精と黒衣の妖精。実力だけで言えば、確実にシュウの方が上だ。しかし、シグルドも決して弱いというわけではない。シルフ最強剣士の座をいつもリーファと競り合う。その強さをリーファは身をもって知っている。
 空気が張り詰めていく。辺りにいるプレイヤーたちも息を呑む。
 そしてデュエルのカウントがゼロになった瞬間、シグルドが一気に間合いを詰めた。防具をつけていながらあれほどの速さを出せるのがシグルドの強みでもある。
 しかし、今リーファの目の前にはありえない光景が広がっていた。間合いを詰めたはずのシグルドのブロードソードが真上へと弾き飛ばされ、その首元にシュウの長剣が寸止めされていた。デュエル開始と同時に動いたはずのシグルド。シュウはその動きを予測して彼よりも早い速度であの長さの槍を振ったということになる。
 この一瞬のことだけでどちらがこの決闘を勝利するかはリーファとキリト、それに周りで見ていたプレイヤー全員が理解した。

「きッ……貴様……」

 ブロードソードが地面に激突するカランという乾いた音が響く。

「どうする? まだやるか?」

 これ以上の戦いは無意味と言わんばかりにシュウは二つの武器を背中に収めた。シグルドは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ