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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
17.世界樹への一歩
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インプ風情が! どうせ領地を追放された《レネゲイド》だろうが!」
今にも抜刀しそうな勢いでまくし立てるシグルドの台詞に、カッとなってリーファも思わず叫び返す。
「失礼なこと言わないで! シュウ君は、あたしの新しいパートナーよ!」
「なん……だと……」
シグルドが驚愕の声をにじませ唸った。
「リーファ……領地を捨てる気なのか……」
ALOプレイヤーは、プレイスタイルが二種類ある。
ひとつは、領地を本拠にして同種族とパーティーを組み、稼いだユルドの一部を上納し、種族勢力を発展させるグループ。もうひとつが、領地を出て中立性都市を本拠とし、異種族間でパーティーを組んでゲーム攻略を行うグループだ。前者は後者のことを領地を捨てた───自発的、あるいは領主たちに追放された───プレイヤーを
脱領者
(
レネゲイド
)
と呼ばれている。
「ええ……そうよ。あたし、ここを出るわ」
口をついて出たのは、その一言だった。
シグルドがくちびるを歪め、食い縛った歯をわずかに剥き出すと、いきなりブロードソードを抜き放った。
「……小虫が這い回るくらいなら捨てて置こうと思ったが、泥棒の真似事とは調子に乗りすぎたな。のこのこと他種族の領地まで入ってくるからには斬られても文句は言わんだろうな……?」
今にも斬りかかりそうなシグルドにリーファは本当に戦闘になれば斬りかかる覚悟で腰の長剣に手を添えた。緊迫した空気が周囲に満ちた。
するとシュウは小さくため息を吐くとウィンドウを開く。
「そう気を立てんなよ、緑の妖精さんよ。……そんなに俺が気に食わねならこれで決めようぜ」
そう言ってシュウがウィンドウを押した。シグルドの前にウィンドウが出現する。それはデュエルの申請だ。
「攻撃権を持たない俺をこの場で斬りかかるのもいいが、それだとお前のメンツはもっと潰れることになるぞ。それなら正式にデュエルで戦った方がいいんじゃねぇか?」
挑発するように不敵な笑みを浮かべるシュウにシグルドは憤怒の表情を浮かべたまま、
「いいだろう。オレに挑んだことを後悔させてやる」
確かにシュウの実力はかなりのものだ。しかし、シグルドとは装備が違いすぎる。運動能力では優っていたとしてもあの頑強な防御を打ち砕くのはかなり厳しい。
それにシュウがここで戦う理由はない。これはリーファの問題だ。
このデュエルを止めようとシュウの手を掴もうとしたその時だった。その手をキリトが掴み止めた。そして横に首を振る。
「表に来い! 叩きのめしてやる」
シュウは何も言わずにシグルドについて風の塔から外へと出る。それを追いリーファたちとシグルドのパーティー、それに一部始終を見ていたプレイヤーたちが野次馬となる。
塔
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