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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
17.世界樹への一歩
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で垂らしている。
男の名前はシグルド。ここ数週間リーファが行動を共にしていたパーティーメンバーだ。
「こんにちは、シグルド」
「パーティーから抜ける気なのか、リーファ」
シグルドはいきなり切り出してきた。どうやら相当機嫌が悪いらしく「アルンまで往復するだけ」と考えたが、気づくとリーファはこくりと頷いていた。
「うん……まあね。貯金もだいぶできたし、しばらくはのんびりしようと思って」
「勝手だな。残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか」
「ちょっ……勝手……!?」
これにはかちんときた。もともとリーファをパーティーに誘って来たのはシグルドの方だ。それにその時リーファが出した条件はパーティー行動は都合のつく時だけ、抜けたくなったらいつでも抜けれる、という二つだ。
「お前はオレのパーティーの一員として既に名が通っている。そのお前が理由もなく抜けて他のパーティーに入ったりすれば、こちらの顔に泥を塗られることになる」
「…………」
その言葉にリーファはしばし言葉を失い立ち尽くした。
レコンが前に言っていたことは正しかった。シグルドはリーファのことを戦力ではなく自分のパーティーのブランドを高める付加価値としてスカウトした。
怒りと苛立ちを滲ませて立つシグルドの前で、リーファは無知ゆえの甘さを悔いた。
リーファ/直葉は、小学生の頃よく自分をいじめていた剣道場の上級生を思い出した。入門して以来敵なしだったが、いつしか年下で女の直葉に試合で勝てなくてその報復で帰り道で仲間数人と待ち伏せては嫌がらせを行った。その時、その上級生の口元は、今のシグルドと良く似ていた。
結局、ここでも同じなのか───。
あの時のようにやるせない失望に囚われ、俯く。
───お前らそんなことして面白いか?
不意に思い出す。上級生に嫌がらせをされている時に助けてくれた少年のこと。名前すら知らない少年。
「お前そんなことして面白いか?」
「え……?」
後方から聞こえた言葉にリーファは目を見開きながら振り向いた。すると同時にシグルドは唸り声を上げた。
「なんだと……?」
シュウは一歩踏み出すとリーファとシグルドの間に割って入る。
「確かにお前がゲームの中で何をしようが俺には知ったことでもねぇし、口出しする気もねぇけどよ。だけどな他のプレイヤーにまでテメェの考えを押し付けるのはどうかと思うぞ」
「きッ……貴様ッ……!!」
それに、とシュウは口元に笑みを浮かべながら言葉をつなぐ。
「パーティーメンバー一人抜けたくらいで泥がつくような顔ならその程度ってことだろ」
シグルドが憤怒の表情を浮かべると剣の束に手をかける。
「いい気になるなよ、屑漁りの
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