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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
17.世界樹への一歩
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。ご飯とか大丈夫なの?」
「うん。家族が作り置きしといてくれたから」
「もう少し、遅くても良かったのにな」
「お前、何かしてないだろうな」
「お前には言われたくねぇよ。未遂犯が」
シュウとキリトがちょっとした言い合いをしているとリーファが手を鳴らす。
「はいはい、そこまで。遅くなる前に出発しよ。早く行かないと鉱山都市にたどり着けないと、ログアウトに苦労するから」
早口でまくし立てると、リーファは翅を広げ軽く震わせる。
それに合わせてシュウたちも翅を広げる。
「───ん?」
不意に今まで飛んできた森の方へと視線を向ける。一瞬だが、誰かの視線を感じた気がした。
今のシュウには索敵スキルが存在しないため気のせいかと思う。しかし、キリトもそちらの方を睨んでいる。
「……? どうかしたの?」
リーファが動かないシュウたちに声をかける。
「なんか、誰かに見られてた気が……。ユイちゃん近くにプレイヤーの反応はあるか?」
「いえ、反応はありません」
ピクシーが小さな頭をブルブルと振る。
しかしどうも納得ができない。あれほどの敵意が向けられた視線を勘違いするとは思えない。
だが、今のシュウはあの頃とは違う。ならば、反応を間違えるということもあるかもしれない。
「うーん、トレーサーが付いてるかも……」
「「トレーサー?」」
聞き慣れない言葉に二人で繰り返し言う。
「追跡魔法よ。大概ちっちゃい使い魔の姿で、術者に対象の位置を教えるの」
「便利なものがあるもんだな。それは解除できないの?」
「トレーサーを見つけられれば可能だけど、術者の魔法スキルが高いと、対象との間に取れる距離も増えるから、こんなフィールドだとほとんど不可能ね」
「それなら……」
シュウは思いついたようにウインドウを操作すると先ほど武器屋で購入した安く買えた短剣をオブジェクト化する。
「そんな短剣で何する気?」
リーファは大体想像が付いていると言わんばかりの呆れた表情でこちらを見てくる。
「そんな顔するなよ。物は試しだろ」
シュウは意識を集中させる。先ほど視線の残滓を辿っていく。
「ここだ!」
思いっきり振りかぶって短剣を投げる。一直線に綺麗な軌跡を描いて森の向こうへと消えていった。
「どう? 当たったの?」
「わからん」
そうきっぱりと言い放つとリーファはまたも呆れた顔をすると、
「キリト君、そこの人置いて先にあたしたちだけで行っちゃおうか」
「そうだな。行こうぜ、リーファ」
「ちょ、置いてくなよ」
翅を広げて飛び立っていく二人を慌てて追いかけていくシュウ。
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