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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
17.世界樹への一歩
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「ん……ん?」
体にとてつもない疲労感が襲う。先ほどまで何をしていたかの記憶を頭から探る。
そうだ。ALOから戻ってきたのちに自分の犯してきた罪を思い出していつの間にか直葉に会いに来たんだっけ。その後は……
その後のことを思い出そうにも寝ぼけた頭ではしっかりとはわからない。
とりあえず体を起こそうとする。柔らかな感触が頭全体を包み込んでいる。とても気持ちいい感触にもう少しこのままいたいと思っている自分がいた。
寝返りを打とうとする。
「あ、やっと起きたんだ」
上から声が聞こえた。そちらへと顔を向ける。
「え?」
思わず声が漏れた。そこには綺麗に切りそろえられたやや短い髪の少女。直葉がこちらに優しい笑みを浮かべていた。
状況が理解できずに困惑する。
そうだ。───集也が自分なんて生きててよかったのかと言って直葉に叩かれた。その後直葉が優しく抱きしめてくれてそのまま彼女の胸の上でそのまま寝てしまった。
「え、あ、あの……」
あまりの恥ずかしさに言葉が見つからずにいると直葉はわずかに頬を赤らめたままで、
「このまま晩御飯まで起きてもらえなかったらどうしようかと思いました」
「ご、ごめん」
直葉から離れる。しかしまだ頬には彼女の熱と感触が残っている。恥ずかしすぎて直葉の顔を直視できない。
そこで集也は気づいた。不思議と先ほどまであった恐怖はなくなっていた。前のように忘れたというわけではない。今もあの恐怖や殺意は思い出すことができる。しかし、どこか軽くなった気がした。
アインクラッドでの記憶を否定することは簡単だ。しかしそれでは、また前に進むこともできずに今までのままだ。集也はいい加減前に進まなければ行けない。何度もいろんな人に助けられて来た。その度に立ち上がって、また挫ける。そんなことはもう辞めにしなければ行けない。
「大丈夫」「諦めたらダメ」そんな言葉が集也の心を幾度となく動かしてくれた。今回もまたその言葉でもう一度、集也に踏み出す力をくれた。
「……ありがとう、スグ」
自分でも驚くほどに聞こえない小さな声だった。この言葉はきっと届いていない。
今の集也ではこれが精一杯だった。だからこそ全てが終わったら───アスナを、そしてキリトを助けたら今度こそきちんと言葉にして伝えよう。
「これから晩御飯作るんですけど、集也さんも一緒にどうですか?」
「もうそんな時間か……」
日はもう完全に落ちきっていた。道場に訪れたのが日が落ちかけの頃だったので一時間以上は集也は直葉の胸の上で眠っていたということだ。それを思うと再び、恥ずかしさがこみ上げてくる。
「ありがたいけど、遠慮しとくよ」
「そうですか」
少し残念
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