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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
16.再会
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がいく。というかあの一瞬でそんな判断ができるものなんだ。リーファは感心してしまった。

「まぁまぁ、ヒールしたあげるから」

 リーファは右手を二人の方へと向けてかざすと回復の呪文(スペル)を唱えた。青く光る雫がほとばしり、シュウとキリトを包み込んだ。

「すごい、これが魔法ってやつか」

「高位の治癒魔法はウンディーネじゃないと使えないんだけど必須スペルだから君も覚えた方がいいよ」

「種族によって補正があるのか」

「シュウ君のインプは、暗視と暗中飛行に長けた種族だよ。キリト君のスプリガンはトレジャーハント関係と幻惑魔法かな。どっちもあまり戦闘には不向きかもね」

「うへ、やっぱり下調べが大事だな」

 二人は立ち上がって大きな伸びをするとキョロキョロと辺りを見回す。

「ここがスイルベーンか。綺麗なところだな」

「でしょ!」

 リーファが改めて自慢の街を見回していると後方から声をかけられた。

「リーファちゃん! 無事だったの!」

 手を振りながら近寄ってくるのは黄緑色の髪のシルフの少年だった。

「あ、レコン」

「すごいや、アレだけの人数から逃げ延びるなんてさすがリーファちゃん……って……」

 今更ながらリーファの横にいる黒衣の少年二人に気付き、口を開けたまま数秒間立ち尽くすと、

「な……インプとスプリガンじゃないか! な、なんで……!」

 飛び退いて、慌てて腰のダガーに手をかけようとするレコンを慌てて制止する。

「あ、いいのよレコン。この人が助けてくれたの」

 シュウを指差したのちにキリトへと向ける向きを変え、

「こっちの人は彼の仲間だよ」

「へ?」

 唖然とするレコンを指差し、黒衣の二人に言う。

「こいつはレコン。あたしの仲間なんだけど、キミと出会う前にサラマンダーにやられちゃったんだ」

「そうなんだ。よろしく、俺はシュウだ」

「キリトだ」

「あっ、どうも」

 レコンは差し伸べられた手をぺこりと頭を下げた後に握ろうとすると、

「いや、そうじゃなくて!」

 再び飛び退く。

「大丈夫なのリーファちゃん!? スパイとかじゃないの!?」

「平気平気、スパイにしてはこの人たちちょっと天然ボケ入りすぎてるし」

「ひでぇな」

 あははと笑い合うリーファたちをレコンは疑わしそうな眼で見ていたが、やがて咳払いをしてから本題に入っていく。

「シグルドたちはいつもの酒場で席とってるよ」

「あっ! そっか。うーん……あたし今日はいいや」

「え! 来ないの?」

 残念そうな声でレコンがつぶやく。

「うん、お礼にシュウ君に一杯おごる約束してるんだ。じゃあお疲れ」

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