暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
16.再会
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た方向へと飛ぶコツを教えると飲み込みが早く直ぐに飛べるようになった。しかしその間にも暴走して変なダンスを踊ったりしていた。
 久しぶりにお腹がよじれるほど笑った。

「それじゃあ、ついてきて」

 リーファは方向転換すると森の彼方目掛けて飛行を始める。最初はシュウを気にかけて控えめの速度で飛行しているとすぐさまシュウは真横に並ぶ。

「もっとスピード出してもいいぜ」

「ほほう」

 リーファはその挑発に素直に乗る。一気に加速に入り、シュウが根を上げるところを見てやろうと思った。
 しかし驚くことにシュウはマックススピードの七割に達したところでも真横に並走したままだった。普通なら人は飛ぶという感覚を知らないため、高速飛行となると無意識的に速度を抑えてしまい加速が鈍るはずだ。だが、彼はそれに全く動じることなくこの状況を呑み込んでいる。

「これが最速?」

 調子に乗ったような余裕の笑みを浮かべる少年にリーファは、

「どうなっても知らないわよ」

 翅を羽ばたかせ最高速度まで加速する。この速度についてこれた仲間がいなかったためリーファも久しぶりの感覚だ。しかし、それにさえ平然とついてくる。

「このスピードに耐えられたの君が初めてかも」

「さすがにこの速度は厳しそうだな」

 そのまま二人で高速飛行をしていると後方から高速で風を切る音が聞こえる。

「シュウ君、後ろから何か来てるよ」

「え? 何も見えないぞ」

 シュウは振り向いて確認する。
 闇妖精(インプ)であるシュウには聞き取れないが風妖精(シルフ)であるリーファにはしっかりとその音が聞こえる。だが、リーファも音がするだけで姿が見えない。
 余程、遠い距離なのかそれとも聞き間違い。そう思った時だった。
 シュウが背負われていた片手剣を勢いよく抜き取ると左手で刀身を支えてガード姿勢に入る。

「リーファ、避けろ!」

「え?」

 シュウの叫び声が響くと同時に後方から猛スピードで迫ってくるものの姿をようやくとらえた。黒い影の物体が高速でこちらに迫ってくる。
 そして避けようとした時には、リーファの直ぐ目の前まで迫っていた。

「ちょ、退いてくれぇぇ!!」

 するとリーファと高速飛行物体との間にシュウが割り込んくる。金属同士がぶつかり合う乾いた音が空中に響いた。
 そこでようやくリーファは高速飛行物体の正体がわかった。浅黒い肌。ツンツンと尖った髪形、ややつり上がった大きな目。背中にはクリアグレーの翅。間違いない。影妖精(スプリガン)の男性プレイヤーだ。少年の手には初期装備の片手剣が握られていた。
 どうやら後方から奇襲を狙っていたのだろうか。しかし、リーファはぶつかる寸前に聞こえた声。それに初期装備
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