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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第3話 「朝からひと悶着」
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し、ノックもきちんとするけど。
 そう割り切ったのだが、血の繋がりもない異性の部屋に入るというのに抵抗はあるもので、アリシアの部屋に向かう俺の足取りは重めだ。すでに起きているか、ノックで起きてくれることを切実に願う。

「アリシア、起きてるか?」

 ノックしてから話しかけてみたが返事はない。なので一度目より強めにノックをし、やや大きめの声で彼女の名前を呼ぶ。だが返事はない。
 ……あぁもう、どんだけ寝ぼすけなんだよ。
 内心で舌打ちしながら再度ノックし、反応がないことを確認してから扉を開ける。
 ほんの数日前まで飾り気のない部屋だったのだが、今では実に女の子らしい部屋になっている。そこのベッドでアリシアは布団を抱きしめながら幸せそうな顔で眠っていた。

「もう……ショウは意外と甘えん坊さんだね」

 何の夢を見ているのが分からないが、今の発言と寝顔からして実にアリシアには楽しいものなのだろう。俺からすると楽しくなさそうな可能性が大だが。
 とはいえ、ここで胸の内に芽生えた苛立ちをぶつけてしまうのは大人気ない。
 相手は見た目よりは大人だがやはり子供であり眠っている。また夢くらいは誰だって自由なものを見ていいはずなのだから。
 さて……どうしたものか。
 話しかけて起きない以上、肩を揺するといった手段を取るのが無難だろう。
 しかし、触るとアリシアに怒られる可能性も……勝手に部屋に入っている時点で文句は言われるか。ならば心地よい感触がしそうな頬を突いてみるのも悪くない。
 と思いもしたが、ここは普通に揺することにした。頬を突いて起こしたりすれば、あとでからかわれるのが目に見えている。

「おいアリシア」
「んぅ……」

 何度か瞬きをしたものの、アリシアはまたまぶたを下ろしてしまう。
 寝直したのかと思った矢先……体の向きを変えながらのそりと起き上がり、手で目元をこすり始めた。

「うぅ……あれショウ……どうしたの?」
「朝食が出来るから呼びに来たんだ」
「そっか……ありが――とッ!?」

 急に目を見開いたアリシアは後ろに倒れるように下がり壁に頭をぶつけた。聞こえた音と両手で押さえている姿を見る限りかなり痛そうだ。
 しかし、ここで泣かないのが自称お姉さんのアリシアの良いところである。彼女は目元に涙を浮かべているものの、こちらに視線を戻して話しかけてきた。

「な……なんでショウがここに居るの?」
「それは今言っただろ」
「そうじゃなくて! 異性の部屋に無断で入るとか何考えてるのって言ってるの!」

 うわぁ……予想してとおりの展開だ。こんな風になりそうだから来たくなかったのに。

「文句なら起こしに行くように言ったリニスさんに言え」
「ぐぐ……リニスのバカ。でもショウもショウ
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