暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
何でも太陽と夜戦で片付けようとするのはやめろ

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んだ大淀さんが、そんなうれしくない事を言う。しまった……ここで無理にでもローマ字入力を選ばせておけば……ッ!!

 急にドバンと入り口ドアが開いた。川内が戻ってきたらしい。どこで何をしていたのかは知らないが、川内は相変わらずのギラギラ笑顔で息切れしている。どっかでウォームアップでもやってたのか? 何かの出番が近いのか? 一体何に備えて身体を温めてるんだ?

「大淀さん! せんせー!! ただいま!!」
「はい。おかえりなさい」
「おかえりー。どこでなにやってたんだ?」
「夜戦を駆け抜けてきた!! でもここでせんせーと夜戦する体力は残してるから、大丈夫だよ!」

 ……相っ変わらず意味が分からん……。

「んじゃ、後半戦やるかー」
「了解!!」
「はい。頑張ってくださいねー」

 大淀さんの優しい微笑みに見守られ、俺と川内は一緒に教室に入り、席についた。

「んじゃさっきも言ったけど、後半はWordを学んでもらうぞー」
「了解! ついに、本格的に夜戦が……!!」
「先生はもう注意しませんよー」
「認めたんだ!! ついにこれが夜戦だって認めたんだねせんせー!!!」
「そのポジティブシンキングにびっくりだ」

 その後、Wordの基本操作のレクチャーが終わったところで、今日の授業は終了した。次回からは本格的に書類やプリント、チラシといったものをWordで作っていってもらうことになる。

「次回からはプリントをたくさん作ってもらうからな」
「了解! 待ちに待ったやせ……」
「待ってないし待ってほしくない。それよりも、家に帰ったら、今日の復習を忘れないように」
「えーぶーぶー!! ……あそうだ」

 パソコンの電源が落ち、真っ暗なディスプレイに川内の笑顔と俺の死んだ眼差しがうつりこんだ時、川内がぽんと手を叩いて何かを思い出していた。また妙なことじゃなければいいが……。

「せんせー。妹もね。ここに通いたいんだって」
「……この時間帯にか?」

 こいつの妹ってことは、やっぱ似た感じなのか……? こいつ一人でさえくたびれるのに、これ以上こんな奴が増えたら、俺は再び過労で血迷って、痙攣しながら床の上をゴロゴロするはめになりかねん。これ以上この時間に面倒なやつが追加されるのは、ごめんこうむりたい。

「んーん。違う。お昼に通うって言ってた」
「……ホッ」
「ほ?」
「あいや失礼。んじゃ大淀さんに詳しい話をしてみてくれ」

 ふぅ……一安心したおれは、詳しい話をしてもらうべく、大淀さんに声をかけ、詳しい話を聞いてもらうことにした。

 俺は横でAccessを開いて、川内の進捗を記入しながら聞き耳を立てていたのだが……川内の妹はすでに仕事についているそうだ。その業務の中でExcelを使うそうで
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