暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
先輩は変な奴 担当生徒も変な奴

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端までウィンドウをドラッグしてあげると、ウィンドウの大きさがちょうど画面の半分に調整されるんだ」
「ぉおー!」
「たとえば右側のウィンドウでインターネットを見ながら、左側のウィンドウで文書作成をしたり出来る。何かを確認しながら作業をするときなんか便利につかえるはずだ」
「夜戦で照明弾を撃って、相手の位置を確認するのと一緒だね!!」
「なんか違う。意味はわからないが、なんか違うのだけは分かる」
「そうかなー……」

 こんな具合で、やっぱりいちいち夜戦に結びつけて婉曲な言い回しをしてくるというか……うーん……やっぱり夜戦に並々ならぬこだわりがあるのだろうか……そうして授業は混乱しながらも順調に進み、終了間際に差し掛かる。

「じゃあこれで今日は最後。電源の落とし方だ」
「はい!」
「電源の落とし方は色々あるけれど、一番簡単なのはスタートボタンを押してメニューを出した後、画面右上の電源マークをクリックして、『シャットダウン』をクリックしてあげるんだ」
「了解!」
「じゃあやってみよう。今俺が言ったとおりに操作してみて」
「ぇえ!? 私が夜戦でこのパソコンを撃沈していいの!?」
「撃沈じゃなくてシャットダウン」

 『では……オホン』と大げさな咳払いをした後、川内はマウスカーソルをスタートボタンの上に持ってきてクリックした。画面がメニューに切り替わり、川内はそのままマウスカーソルを今度は画面右上に持ってきて、りんごみたいな電源マークをクリックする。

「なんか左下だったり右上だったり、いったりきたりで大変だねぇ」
「8.1は仕方ない。一応もうちょい楽な方法もあるが、これが一番確実だと思う」
「ふーん……」

 ずずいっとチャームを出して電源を切る方法はね……マウスだと大変なんすよ。タッチパネルだとそうでもないんだけど……。

 川内によってシャットダウンされたパソコンは、しばらくした後『とおぉぅぅぅん』という情けない音でヤル気の減退を表現した後、プツリと電源が切れた。真っ黒になったディスプレイには、目をランランと輝かせたべっぴんな女の子と、その隣で目が死んでいる、一人の男が写り込んでいる。なんだこのシュールな図……

「ぉお沈黙した! せんせー! 撃沈したよ!!」
「だから撃沈じゃないって言ってるだろう……でもさ。川内ってパソコン持ってるんだよな?」
「持ってるよ?」
「なのに経験はないのか。使おうって思わんかったのか」
「だってよくわかんないし。んで、ここなら大淀さんがやってるし、艦娘ならタダで教えてくれるから、ちょうどいいなーって思って」
「なるほど。……まぁ何はともあれ、今日はお疲れ様でした」
「お疲れ様!!」

 その後『明日も夜戦、お願いね!!!』と言い放った川内は、意味不明な高笑いと
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