暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
先輩は変な奴 担当生徒も変な奴

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ンに電源を入れる。この教室独自と思われるブートローダーが立ち上がり、OS選択画面になった。慣れた手つきで7を選択するコスプレ野郎。

 さっきから鳴っていたチャリチャリ音の正体が分かった。このコスプレ野郎……珍妙な太陽のイラストが描かれているこいつの服は、鎖帷子になっている。だからか。だからチャリチャリとうるさかったのか。そんなものを着てきているというのか。

「カシワギといったか。貴公の来校を待っていた」
「は、はぁ……」
「俺の名はソラール。詳しい話は後ほど存分に。今は授業の様子を見ていて欲しい」
「よ、よろしくです」

 その自称『ソラール』先輩はそう言ったあと、急に全身を思い切り伸ばして、アルファベッドのYみたいなポーズを取っていた。何やってんだこの人?

「このポーズは太陽賛美という」
「いや聞いてないっす。自分、そのポーズのことは聞いてないっすソラール先輩」
「まぁソラール先生はいつものことじゃから」
「今日も先生は元気でええの〜」

 Yの字ポーズの……なんだっけ……太陽賛美のポーズに対し、二人のおじいちゃんは暖かい眼差しを向け、『ほっほっほっ』と朗らかに笑っている。俺は、知らない内に異空間に迷い込んでしまっていたようだ。誰か突っ込まないのか。この異様な状況に、誰か突っ込もうとしないのか。

「しかし、先生はいつもそのポーズをされますなぁ」
「俺も太陽のように、でっかく熱くなりたいんだよコバヤシ殿」

 わけわかんねぇ……この人たち、ホントにわけがわかんねぇ……。

「しばらく授業を見学しながら、この教室の基幹システムを触っていてくれ。Accessの経験は?」
「……ないですね」
「大丈夫。貴公なら問題なく触れるはずだ。データベースの中身を更新さえしなければ、何をやってもかまわない」

 太陽を崇拝する男、ソラール先輩にそう促され、俺はAccess2007を立ち上げるが……

「サクラバ殿、そこは太陽のようにもう少し明るい色にしたほうが……」
「なるほど。その方が文字がくっきり見えるね」
「ああ。まるで俺達を暖かく見守る太陽のように、美しく輝く背景だ」
「さすがソラール先生だね」

 こんな状況で授業の様子が頭に入るはずもなければ、Accessをいじる余裕がうまれるはずもない。頭の中がはてなマークでいっぱいになり、授業のことが何一つ頭に入らないまま、終了の時刻となった。

「じゃあソラール先生。また来週!」
「待っているぞサクラバ殿!」
「わたしゃ再来週ですな」
「コバヤシ殿は、次はいつもと曜日が変わるので、忘れずに!」
「先生、お疲れ様!!」

 晴々しい笑顔で会釈をしていく二人のおじいちゃんを、お得意のY字ポーズ……なんだっけ……太陽賛美だったっけか……で見
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