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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第592話】
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グリッド・ターンに追従するヒルト――二刀流による流れる連撃も受け流し、隙あらばバリア無効化攻撃による斬撃を浴びせる。

 絢爛舞踏に頼っていた箒、それらを使わずに継戦する力は低かった。

 もちろん自身の甘えと最新鋭機という緩みもあるだろうし、他にも様々な要因があるといえる。

 後悔しても遅い――だけどまだ間に合う。


「ハァアッ!!」


 雨月、空裂による粒子攻撃――空を彩る紅い粒子、それらは全て避けられた。

 箒自身が接近戦以外がいまいちといえる、だけどそれでもヒルトに食らい付いた。


「ふむ、篠ノ之箒は調子が悪いようですな」

「仕方ありません、先ほどほぼ半裸で走らされたのですから」

「ふむ、この事が篠ノ之博士にバレますと不味いかもですな」

「ハッハッハッ、我々は大丈夫。 あくまでも来客ですので」


 反対派各々がそう呟き、やられているのも先ほど調子を崩したからだと結論つけた。

 篠ノ之博士の妹ゆえに評価が甘いのだろう――もちろんそれは一夏にもいえるが。

 模擬戦は更に続き、互いのエネルギーが二〇〇を切ろうとしていた。

 疲労がたまっていてもこれだけ追従するヒルト、想いだけでは届かない代表候補生の座。

 だが――織斑千冬から言われた持つべき者の義務《ノブレス・オブリージュ》という言葉が、ヒルトを更なる高みに導いている。


「そらぁぁあっ!!」


 体躯を駆使した格闘戦、刀と体術を組み合わせた独特の動きは箒も読めないでいた。

 一方の箒は、型が確りしてるが太刀筋がヒルトに見極められている。

 それでもヒルトは当たるのだが、疲労故の反応の鈍さからだろう。

 何合も切り結び、スピードに乗った戦いはほぼ互角――本来なら疲労でヒルトが不利だが、経験値の差で上手く食らい付いていた。

 エネルギーが更に下回り、残り互いに一〇〇を切る。


「ハァッ、ハァッ……!」

「ッ……やはり強い。 だが、私ももっと……強くなりたい!」


 呼吸の荒いヒルトに、箒は更に接近戦を仕掛ける。

 刃が切り結ぶ音、空を切る音、装甲に当たり、激しく火花を散らせる音――だがヒルトの耳には届かない、疲れてるが凄まじい集中力で攻撃も防御も行う――そして、下から斬りあげる一撃によって遂に箒のエネルギーを〇にした。

 試合終了のブザーが鳴る、呼吸の荒いヒルト、視線が定まらない中――。


「ひ、ヒルト、大丈夫なのか!?」

「え? ……だ、大丈夫、だ」


 とても大丈夫に見えないヒルト――だがゆっくりしていられない為ヒルトは直ぐに補給に戻ろうとした――が。


「……絢爛舞踏!」


 不意に触れられ、一気に
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