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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第591話】
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って阻まれ、ダメージは与えられなかった。

 一旦電磁投射小銃をかなぐり捨てるヒルト、粒子片となり空中で散り、新たにカリバーンを呼び出した。

 迂闊だった、薙刀の間合いなら北落師門は届かないもののヒルトの持つ大剣は薙刀を上回る間合いを持っている。

 走り出したら止まらない――簪は薙刀を支え、突撃をかけた。

 互いの刃が交錯する、質量の差で簪が支えた薙刀は一撃で手元から弾き飛ばされた。

 勢いそのまま、ヒルトはカリバーンで大きく凪ぎ払う――その一撃で破損していた不動岩山が完全に破壊された。

 デッドウェイトとなったパッケージを強制排除する簪――切り返しの二撃目が打鉄弐式に直撃、大きくシールド・エネルギーを減らした。

 三撃目――袈裟斬りの一撃はかわし、至近距離から荷電粒子砲を浴びせた。

 だが咄嗟にカリバーンを盾にしたヒルトにそれは届いていなかった――反射神経も明らかに上回っていて、どうシミュレーションしても勝つイメージが出来ない。

 簪は以前の襲撃事件が脳裏に過った、あの時のヒルトの機体は打鉄の改良型――他の皆が二機で一機相手に苦戦する中、ヒルトは一機で逆に複数撃破していた。

 弱気な自分が見え隠れする――だが頭を振り、簪は直ぐに近距離からの荷電粒子砲の射撃を行う。

 だが――ヒルトはそれを見て唇の端をつり上げて笑った。


「……もらったぜ、簪?」

「……!?」


 粒子片となって四散するカリバーン、向こう側から電磁投射小銃を構えるヒルト。

 荷電粒子砲のチャージが終わる前にもろにフルオート射撃の弾幕を浴びる簪。

 不動岩山も無く、無情にもシールド・エネルギーが一気に減少――そして、数値が〇になると共に試合終了のブザーが鳴った。

 終わってみればヒルトの圧勝――前半の四人の強さに比べれば、簪は経験値が少ない。

 他の四人は事件解決の為に出撃しているのだし、仕方ないといえば仕方ない。

 だけど、悔しさで唇を噛み締めた簪に、ヒルトは――。


「今回は俺の勝ちだな。 ……リベンジマッチ、いつでも待ってるさ」


 その言葉と共に笑顔を見せるヒルト、疲労の色は見えてたがそれでも笑顔のヒルトに、ヒーローの姿を重ねて見ていた。

 一方――。


「これで五連勝の快進撃! スゴいよ、ヒルトくん!」

「ほんとほんと! もうー、ヒルトくんってばこんなに実力あるなら隠す必要無いのに♪」


 怒濤の快進撃、今回からパッケージ装備で明らかに不利だと思われていたがヒルトが勝利を納めた事により、評価はうなぎ登りだった。

 一方で面白くないのは反対派の人間、レイアート・シェフィールドはヒルトの活躍にレポートを取りつつ、終始笑顔だ
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