運命のエクスシア
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く崩さずにはやてを一瞥したデュマは、
「せっかくだ、余興として受け取ってやる。ありがたく思うがいい」
子供の戯れという扱いにして、こちらに恩を着せてきた。何様のつもりだと怒りを荒げたいが、これ以上状況を悪化させないために私は唇を噛み締めて言葉を伏せた。そもそも交渉中に先に手を出してしまったのはこっちだし、いくら友好的でもデュマはイモータルで、2年前の髑髏事件にも大きく関わっている。人間相手に交渉するのとは勝手が違いすぎる……感覚が違うのも当然だった。
「さて……和平の条件は伝えたが、すぐには決められないだろう。期限は一ヶ月後、お前達がうだうだして決められなかったのならば、この話はご破算となる。そうなれば永遠に続く生存競争の再開だ、今度は容赦なくお前達を滅ぼしにかかる。……では、良い返答を期待している。さらばだ!」
そう言い残し、デュマは暗黒転移で姿を消した。こうして管理局とイモータルとの間で行われた前代未聞の会談は終了したのだが、議事堂には未だに重々しい空気が流れていた。
……当然だ、あのイモータルが手加減しててもはやてを一蹴できるぐらい途方もなく強いことを目の前で証明された上、停戦協定を受けなければ彼も総攻撃を仕掛けてくると宣言されたのだ。私達がデュマに挑んだところで、今の体調では間違いなくさっきのはやてと同じオチになる。恐らく……彼が総攻撃が行えば、ミッドは一夜で陥落するだろう。
つまり、『停戦協定を受けない=ミッドチルダ滅亡及びファーヴニル復活』という方程式がほぼ成り立っている以上、人類が生き残るためには停戦を受けるしか道が残されていなかった。管理世界と、高町なのはという生贄を出すような形で……。
「……さて、和平の締結にはミッド以外の管理世界を譲渡というのもそうだが、ファーヴニル事変の英雄エターナルエース、高町なのはを売り渡す必要がある。儂としては管理世界に蔓延る次元犯罪者がミッドに渡ってくるのは出来るだけ阻止したいし、このまま療養させたところでどうせ意識も戻らないまま死んでいくエターナルエースを渡してイモータルの襲撃が止まるのならば、いっそのこと渡すべきだと考えている」
「し、しかしレジアス中将。それはあんまりではないですか? 次元犯罪者と言っても少し前の経済難と生活難ゆえに法を犯さざるを得なかった者もいますし、なのははあの容態で意識も回復していない上に2年前の髑髏事件で散々な目に遭ったんですよ……? また有効活用の名目で、彼女が何をされるかわかったものでは……」
「クロノ提督の言う事も尤もだが、今の管理局や管理世界の情勢を含めると、イモータルとの戦いをこれ以上継続するのは困難だ。そもそも人類の生存権と、一人の死にかけの命、治安維持組織としてどちらを優先すべきかは、皆もわかっているはずだ。これは
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