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リリなのinボクらの太陽サーガ
運命のエクスシア
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するなら関税はかけさせてもらうがな。要はお前達が担ってきた役目をオレ達が受け継ぐ、市民から見れば統治者が変わるだけの話だ」

「では、渡すものとは何だ?」

「血液だ。毎日40000CCの血液をもらえれば、オレ達は統治下のヒトを襲わないと誓おう」

「40000CC……一見すると多いが、管理世界の総人口を考えると十分供給可能な範囲か……」

血液を供給すれば襲撃しなくても済むのなら、早めにその提案をしてほしかった気もする。……いや、むしろここまで条件を緩和するために、デュマは色々手を尽くしてきたのかもしれない。

「おっと、大事なことを言い忘れていた。条件はもう一つある。新しきクイーン・オブ・イモータルの器たる……オリジナルの高町なのはの身柄を引き渡していただきたい。和平の象徴としてな……」

「何が和平の象徴や……! そんなん2年前と同じように彼女を味方に引き入れようとしとるだけやないか!」

口出しの許可が出ていないのに、はやてが思わず怒りの言葉を投げ返した。クロノ達も固唾を飲んで見守る中、デュマは淡々と説明する。

「オレ達が管理世界を統治下に置いたとしても、イモータルが直接統治すれば何をしようと反発されるだろう。だからエターナルエースを表向きの統治者という形にして、オレ達は影に潜んでおけば、連中も少しは言う事を聞かせられる」

「傀儡政権って奴か……!」

「傀儡とはなかなか面白い表現だ、確かにオレ達は彼女に具体的な何かをしてもらうつもりはない。ただ和平の象徴として、寝たきりでも存在してくれていれば問題ない。管理世界は置いといて、死人同然の少女一人と引き換えに未来永劫続く戦いを終わらせられる、これ以上の優良な取引は二度と無いぞ?」

「それでも……友達を売るような真似、認められる訳があらへんやろ!」

「はやて!?」

寝不足が祟ったのか、冷静な判断が出来ずに激昂したはやてがリインと瞬時にユニゾン、デュマにエナジー込みの魔力弾を放つ。彼女の魔法がデュマの眼前に迫ったその時、口の端を吊り上げたデュマは……

―――そのまま右手の人差し指から針状のブラッドランスを発射、一瞬で魔力弾を打ち消した。針ははやての顔のすぐ右側を通過し、彼女の席を貫いた。今の攻撃がかすめたらしく、右頬から一筋の血が垂れてくるはやてだが……圧倒的な力量差を前に彼女は全身が硬直して動けずにいた。

「(う、動けんかった……! 攻撃に全く反応できんかった……! 今のはわざと外してくれたけど、もしこれが私の頭や心臓に向いてたら……それだけで……!)」

「交渉人を攻撃するとは、血気盛んな局員もいるものだな。……そっちから仕掛けてきた以上、もはや和平なぞせず問答無用に全て奪い取っても構わないが―――」

余裕そうな態度を全
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