運命のエクスシア
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わる」
「勝利を断言するとは、イモータルの総大将は余程の自信家のようだな」
「あぁ、勘違いしないでもらおう。もしオレが倒れたとしても、銀河意思はまた新たなイモータルを送ってくる。それもオレより強い奴を次々と……無限にな。……わかるか? いくらオレ達に抗ったところで、無限かつ無制限に襲われてはあの太陽の戦士と暗黒の戦士ですら太刀打ちできない。そこの少女達のように、どれだけ抗おうといずれ限界を迎える。ならば戦いの規模がこれ以上大きくなる前に、どこかで妥協点を見つけることこそが今のお前達が優先すべきことだ」
デュマの言っていることはかつてスカルフェイスがマキナに言った、イモータルとの戦いを永遠に続ける運命を子孫にも背負わせるのか、という話と似ていた。確かに私達は諦めずに抗い続けることが生きることだと信じているが、それを次世代の子供達にも押し付ける、というのは少し抵抗があった。
終わらない戦いを運命付けられる、それは……確かに悲しいことだった。
「そう、永遠に続く戦いなぞ悲しいものだ。どこかで誰かが終わらせなければならない」
まるで私の考えを見抜いたように、デュマは扇子の先端を私に向けながらそう言ってきた。
「ならばその誰かとは誰だ? それはお前達だ。銀河意思との調停を担うオレとの会談に応じたお前達ならば、無限の戦いを止めた誰かになれる。もう無暗に犠牲を増やさずに済む、世界を平和にできる、子孫が血生臭い戦いを背負わずにいられる。その千載一遇の機会を、オレは今ここに用意してやったのだ」
「犠牲を……増やさずに済む……」
「世界を……平和に……」
「子供が……戦いを背負わない……」
高官達がデュマの言葉を反芻し、私も孤児院や保護施設で見た子供達が武器を持たずに済む世界をイメージして、その素晴らしい光景に心惹かれた。辛い戦いを、次の世代に受け継がせずにいられる……それは、目指すに足る夢だった。
「尤も、オレ達にも事情がある。故に……停戦協定を結ぶには条件を出させてもらう」
「条件? どうせろくでもない内容なんだろう?」
条件の内容にクロノが警戒すると、デュマは扇子を再び開き、『譲渡』の文字を見せつけてきた。
「難しいことではない。このミッドチルダを除く全ての管理世界を、我々銀河意思の統治下に置かせてもらう」
『!!!』
「そ、そんな横暴認められるか! 僕達に……ミッドチルダのために他の世界を見捨てろというのか!?」
「他の世界ではない、管理世界だ。それに、オレ達の統治下に置いたからといって好き放題に蹂躙するわけではない。渡すものさえ渡せばオレ達がお前達の代わりに治安を守るし、ロストロギアなどの危険から安全も保障する。連邦のように世界を鎖国させるつもりもない、尤も貿易
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