運命のエクスシア
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……!」
「「「公爵デュマ!?」」」
念話で会談の内容をはやてとリインに相談していた時、扉越しにオーリスが言った名前に私達は目を見開いた。そして同時に、クロノが私達をここに同席させた理由も察した。もしデュマがクロノ達に攻撃を仕掛けてこようとしたら、すぐに私達に阻止してもらう、ということだろう。
ともかく、オーリスが議事堂の入り口を開けると、二本角のヴァンパイアが不敵な笑みを浮かべながら悠々と歩いてきた。だが、
『ッ!』
殺気を受けたわけでもないのに、全身に悪寒が走った。これまで多くの強敵と渡り合った私が、気配だけで圧倒されたのだ。この場にいる誰もが緊張と警戒で表情が強張る中、デュマはこちらの警戒など全く気にしない様子で口を開いた。
「お初にお目にかかる、管理局諸君。そっちもオレの姿を見るのは、これが初めてだろう」
「御託はいい、それよりイモータルの総大将が何の用でここに来た?」
「フッ、長きにわたりミッドの平和を収めてきた偉大なるレジアス中将と、その他大勢に会えて光栄だ」
なんかその他大勢扱いされた……ちょっと不服だ。
「では改めてオレの自己紹介を……公爵デュマ、もう壊滅してるがヴァランシアのリーダーにして、イモータルの大将を務めている。どうぞ、お見知りおきを。……さて、余計な問答はよして早めに本題に入ろう。では……」
私達の方を見て、いつ飛び掛かっても構わないと言いたげに嗤ったデュマは、どこから取り出したのかわからないが扇子をバッと開き、『和平』の文字を見せびらかしてきた。
「今日という記念すべき日に、停戦をご提案する」
「停戦だと!? これまで散々襲ってきておいて、今更どういうつもりだ!?」
「凌ぎを削りながら続いてきたこの戦い……その上で今日の襲撃と、そして撤退。劣勢とは言えず、まだ攻撃を続けていられたはずの都市攻撃……それを唐突に止めて撤退させたのはいわば、オレの意思表示だ。この生存競争に終止符を打つ、そのための下準備なのだよ」
「その下準備のために、どれだけの人が犠牲になったと……!」
「大義のためには犠牲はつきもの。お前達も自らの正義の下に戦い、そして散っていった者達が大勢いただろう。どれだけ綺麗ごとを並べようと、いや、理想が綺麗であればあるほど、血は多く流れる。であるならば、出血を最小限に抑えることこそが、古来より統治者に求められる責務のはずだ」
「クッ……!」
「第一、お前達も我が同胞を自らの生存のために倒してきた。生存競争である以上、犠牲が出るのは仕方のないこととはいえ、彼らの無念を晴らしたいと思う気持ちはオレの中に未だ燻っている。お前達もそれは同じはずだ。そしてその気持ちに従って戦い続ければ、やがてこの戦いはオレ達銀河意思の勝利で終
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