運命のエクスシア
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オスを始めとしたアウターヘブン社の社員を泊まらせておけば、自然とイモータルやアンデッドに対する護衛をしてくれる。だったら出来るだけ彼らに居てもらった方が、自分達も宿泊客も安全だと判断したのだろう。つまり護衛料が入ってるから、安く泊まれるわけだ。
ケイオスとシオンが寝泊りしてる部屋は上の方で、ツインの個室らしい。同じ屋根の下、同じ部屋で男女が寝食を共にしていること自体は、私自身もウェアウルフ社でサバタさんと、世紀末世界でジャンゴさんとやってたので、とっくに慣れてるから気にしていない。
クリーム色の暖色系で落ち着くような高級感のある部屋、そこに足を踏み入れた私は、備え付けのベッドにフーちゃんを下ろし、近くの椅子に腰を下ろして一息入れた。
「ふぅ、少しだけ疲れたよ」
「病み上がりなのに歩かせ過ぎた?」
「ううん、それは大丈夫。単に気持ちの問題」
「ん、そっか」
「それにしても、ここからの景色も良い眺めだね。結構高いからシオンのいる診療所も見えるし……聖王教会の病院も目を凝らせば辛うじて見えるよ」
「ん。それと、シオンの言ってた孤児院はあそこ。もしフーカを少しの間預けたいなら、あそこに行けばいい」
『木造建築の孤児院ですか。心を穏やかにさせるという意味では、木造建築はうってつけでしょう』
木造建築が落ち着くのは、マイナスイオンが出てるからかな? ……なんてことは置いといて、アルバイトは流石にフーちゃんを預けないとできないだろう。当分の間は何度かお世話になるはずだ。
景色を堪能した後、ひとまず昨日の襲撃の件も含めて何かしらの情報を取得するためにテレビをつけた所、ニュース番組は昨日の襲撃の犠牲者や被害について報道していた。
「改めて都市部を不意打ちされたわけだから、かなり多くの犠牲者が出ちゃってるね……」
「……実は昨日、イモータルが地上本部に入っていったのを見た」
「はい? イモータルが管理局に?? 自首……はあり得ないし、奇襲してないことを考えると、もしかしたら交渉に来たのかもしれない」
「交渉?」
「うん。ミッドの戦況はイモータル側が優勢だもの、今なら交渉を有利に進められる。普通なら管理局が絶対通さないような要求でも、上手いこと話を運ばれたら、つい通しちゃうかもしれない」
「ふーん、どんな要求してきたんだろうね?」
「わからないよ。そもそもこれは予想だし、合ってるとは限らないから……」
というか政治関連のニュース見てると、一般人なりの意見交換はするけど、実際に何か影響を与えるようなことはしないからね……。
「あー! あー!」
なんか今のニュース映像を見て色々思う所があったのか、フーちゃんがいきなり泣き出した。慌ててテレビを消して彼女を腕に抱
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