運命のエクスシア
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もどうして武器商人なのにカソック着てるんだろう? まあそれはいいとして、さっき興味深い言葉が出ていた。
「世界中にドレビンがいると言っていましたね。なら情報収集や言伝もお願いすればやってくれますか?」
「払うものさえ払ってくれればな。例えモノだろうと情報だろうと、必要なら用意しよう」
「じゃあ……」
私はザジ達の見た目や特徴を伝え、その人達を見かけたら第34企業世界マウクランのアウターヘブン社マザーベースか、第97管理外世界地球のアメリカにあるウェアウルフ社に行くよう伝えてほしい、という依頼をした。
「人探しか……確かに次元世界は広い。可能な限り多くの伝手を当たるのは実に合理的だ。では、せっかくなので挨拶がてらのプレゼントでもやろう」
「なにこれ、“きよひーベル”?」
神父から可愛い女の子の人形が上に乗ったベルを受け取ると、ケイオスが解説してくれた。
「それ、アウターヘブン社が作った嘘発見器。別名『嘘つき焼き殺すガール』。相手が嘘や隠し事をしてたらベルが鳴って、『嘘を、ついておいでですね』と言う。するとベルの部分が巨大化して相手を閉じ込め、火で燃やすんだ」
「なにそれ、怖い! なんでそんな物騒なもの作ってるの、アウターヘブン社!?」
「元々は2年前の髑髏事件を受けて開発中の、SOPに精神干渉された局員を識別するための道具だった。開発途中で相手の嘘を確実に見抜くことができる技術ができたから、数量限定ということでノリで売りに出したら……」
「出したら?」
「オーギュスト連邦と管理外世界の警察機関や治安維持組織がほとんど買い占めた。おかげで販売開始から約30分で完売したという、ある種の伝説を残した貴重な商品だ」
「そ、そうなんだ……」
やっぱり皆、隠し事は見抜きたいんだね……。でもこれを持っておけば相手が嘘や隠し事をしてるかがすぐにわかる。この次元世界、特に管理世界を安全に抜け出すには、これは必要だろう。嘘つきを焼き殺す機能は流石にストップしておくけど。
「またのお越しをお待ちしております、今後ともごひいきに」
取引が終了したことでお辞儀した神父は装甲車に乗り、どこかへ走り去っていった。あの神父、商売人としては胡散臭い感じが拭えないし、かなり変わった人ではあるけど、取引相手としては信頼できる方だと思う。下手に信じるものが無い、情には流されない、信じているのはお金だけ、故にお金の関わる仕事には真摯で取り組み、お得意様は大事に扱う……ドレビンとはそんな人達なのだろう。金の切れ目が縁の切れ目、とはよく言ったものだ。
さて……寄り道が多かったけど、やっとメビウスホテルに到着した。ここはそれなりの高級ホテルなのだが、アウターヘブン社の社員には特別割引が働くそうだ。恐らくケイ
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