運命のエクスシア
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「ん」
感謝の気持ちを込めてお礼を言うと、いつも変わらないケイオスの表情が一瞬和らいだ気がした。尤も、すぐに元に戻ってしまったが。
『彼って不器用ですけど、不器用なりに接してくれてますね。正直、可愛げがあって好感が持てます』
「あー」
イクスとフーちゃんも、ケイオスのことは気に入ったみたい。私は……どうなんだろう? 彼には少なからず好印象を抱いてるけど、まだ具体的に関係を表現できる状態じゃないや。
さて、想定していたのとは違った……というか、むしろ上物過ぎる服を手に入れたけど、とりあえずフーちゃんの着替えとかも買っておいたことで当初の目的は果たせた。それから私達はブティックを出て、メビウスホテルへ向けて再び歩き出した。
その途中、ホテルの入り口の近くで何かを見つけたケイオスは少し早歩きでそれ―――『EYE HAVE YOU』の文字が浮かぶ黒地の迷彩が施されたストライカー装甲車の所へ向かい、後ろの扉の部分を叩いた。
「あんた、ここで何してる」
すると中から魚の腐ったような目で何故かカソックを着た大柄な男が出てきた。一見した所、どこかしらエクソシストっぽい感じがした。
「これはこれは、アウターヘブン社の首輪付き殿ではないか。何をと言われても、見ての通り商売をしているだけだが?」
「非公式の武器商人が、こんなところで商売できるの?」
「地球では非公式だが、ここでの正式な許可は既に得ている。銃火器といった武器の卸し売りは残念ながら出来ないが、他のブツならば問題ないだろう」
「相変わらず胡散臭いね、あんた」
どうもこの男とケイオスは顔見知りらしい。言動はちょっと刺々しいけど、別に仲が悪いといった様子ではなかった。
「ところでそちらのお嬢さんは、何か物入りかな? 必要なものがあれば、何であろうと取り寄せてやろう」
「え? いや、そこまで大層なものを頼むつもりはないですよ。というか、あなたは何者なんですか? ただの商売人でもPMCでもないようですけど」
「地球……ここでは第97管理外世界と呼ぶのだったな。私はそこで武器、兵器の卸売り販売、そして武器洗浄をしていた」
「武器洗浄?」
「PMCや管理局が使っているようなID銃やデバイスを、IDが一致しなくても使えるノンID銃やフリーデバイスにハックする。要するに武器洗浄屋と言っておこう。ドレビンとでも呼ぶがいい」
「ドレビン?」
「ドレビンというのは私達の総称だ。会ったことはないが、世界中に他のドレビンがいる。私はドレビンの1228番だ。そこの首輪付きからはもっぱら神父と呼ばれている、洗礼なぞ受けたことはないのだがね」
「そりゃカソック着てれば、周りからはそう見えてしまいますよ……」
そもそ
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