運命のエクスシア
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行くまでの間、泊まるアテはあるのかい? 良ければ私達の使ってるホテルに来るといい。最近じゃほとんど託児所扱いの孤児院が近くにあるからちょっと騒がしいけど、少し出かけたい時にはその子を預けられるよ。どうする?」
「ではご厚意に甘えて、しばらく厄介になります」
「じゃあ私はまだここで仕事が残ってるから、案内はケイオスに任せるね。ケイオス、彼女を頼むよ」
「了解」
というわけで、私とほぼ同じくらいの年齢の首輪付きの少年、ケイオスが同行してくれることになった。まだ会ったばかりで口数も少ない彼だけど、不思議と彼の傍にいれば大丈夫だと思えた。
ケイオスと共に診療所を出た私は、さしあたってこの一週間宿泊する予定のホテル―――メビウスホテルを見に行くことにした。とりあえずここはミッドチルダ北部で聖王教会の領地が割と近くにあり、ちょっと高い場所で目を凝らせば聖王教会の病院が辛うじて見えた。その時、金髪や茶髪の少女達が入っていくのが見えたけど、中に身内や知り合いがいるのかもしれない。まぁ、彼女達以外にもたくさんの人が出たり入ったりしているので、病院内がとんでもなく忙しいってことは察せられた。
「そういやシャロンの服、ボロボロだね」
「なんで今それを言うかなぁ……」
確かにニーズホッグに砂ぶっかけられたし、フーちゃんを助けた時に色々破れたし、フレスベルグの羽が刺さって穴が開いたしでかなりアレな状態になってるけど……。地味に男の人からちょっと視線を感じるけど……ホテルで裁縫道具を借りて直そうと思ってて、それまではわざと意識から外してたというのに……、言われて意識しだしたらかなり恥ずかしくなってきた……。
「言葉、下手でごめん。着替え、持って無いんでしょ。ホテルに行く前に買ったらどうかと思ったんだ」
「あ、ああ……そういう意味だったのね……。でも服買うほどお金が……」
「俺が出す。他にあんまし使い道無いし」
「いや、気持ちは嬉しいけど……でも悪いよ……」
「……。…………。……………綺麗な服を着たシャロンを見たい。それならお金は気にしない?」
「別の意味で気にするよ!? 君サラッと……いや、サラッとではないけど、かなり恥ずかしいことを言ってくるね!?」
『こ、これが噂の口説き文句、でしょうか……!』
なんか違うと思う。イクスも王のくせにドキドキしてるのはわかるけど……。それにしても、今の言葉を聞いてから頬が熱い……!
「ま、まあ……そこまで言ってくれるなら、お、お願いしてもいいかな……」
「ん、お願いされた」
私の頭の中がぐるぐるしている一方で、全く表情が変わらないケイオスがすたすた進んでいった。え〜、なんか調子が狂う……。
ミッドチルダ北部には中央
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