運命のエクスシア
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たり、おむつを交換したりで色々忙しく、一通り終わった頃には私の身体の痺れは取れていたけど、シオンは机に寄りかかってぐったりしていた。ま、ケイオスはケロッとしているが……。
「いや〜まいった。今まで子育てというものをなめてたよ……。キミに注意を促しておいてアレだけど、これが毎日続くと私にはキツそうだ……」
「デスクワークばかりでシオン、身体なまった?」
「な、なまってはいない……はず……。一応お腹の肉がつまめない程度に筋トレは続けてるから……」
「ふーん。で、あんたは結構タフだね」
「まぁ……イモータル二体に追い掛け回されて、生き残れるぐらいにはね……」
「そう。あんたなら一人で子育ても大丈夫そうだ」
ケイオスの評価が少し上がった。
シオンの評価がかなり上がった。
……なんてことはさておき、ケイオスは昨日私をニーズホッグから助けてくれた人だ。こうして会えた以上、ちゃんとお礼を言っておきたかった。
「今更だけど、昨日はありがとうね。あなたのおかげで助かったよ」
「別に。……約束があるから」
「昨日も言ってたけど、その約束って何なの? 差し支えなければ、訊いてもいいかな?」
「……。何もなかった俺に、恩人がくれたしるべだ。俺にとっては命同然の誓いだ。俺は……あの人に命をもらったようなものだ。だから俺の命は、あの人のために使わなきゃいけないんだ。……いけなかったんだけど、2年前にあの人はいなくなった。もう会えない所に行ってしまったんだ」
「会えない所……」
『どうやらその恩人と死別してしまったのですね、恩を返す前に。それはきっと、辛くてもどかしい気分でしょう……』
「だから俺は、この約束だけは絶対に守り抜くことにした。内容はまだ教えたくないから言わないけど……俺にとってこの約束とはそういうものなんだ」
首に下がっている銀の弾丸を右手で握りしめ、ケイオスは固い意志を示すようにそう言った。肝心の約束の内容とやらは結局わからず仕舞いだったが……思いの形を知ったおかげで彼の存在が少しだけ身近に感じられるようになった。
「……今気づいたんだけど、キミの名前を訊いてなかったよ。ずっとキミキミ呼ばわりも何だし、そろそろ教えてくれないかい?」
「あ、ごめんなさい、シオンさん」
「もう呼び捨てで良いよ。ケイオスとは普通に話してるのに、私だけ敬語ってのも何だし」
「わかった。じゃあシオン、ケイオス。改めて自己紹介するよ。私はシャロン・クレケンスルーナ、少しの間だけどよろしく」
「「よろしく」」
「たいよー!」
なぜかフーちゃんが締めを飾った。ちょっとだけ滑稽で、私もつい苦笑してしまった。
「あ、そうだシャロン。キミがマウクランのマザーベースに
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