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リリなのinボクらの太陽サーガ
運命のエクスシア
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髪の少女が、さっき起き上がろうとした音を聞いたからか、私にそう言ってきた。首だけを傾けてそちらを見ると、彼女は私の身体のカルテを見て苦笑していた。

「フレスベルグの毒に侵されていながら、あんなに走ったのに生きていられるなんて、キミも結構凄い体質してるんだね。あぁ、私はシオン。アウターヘブン社の人間で、後方支援を主業務としている」

「あの……」

「キミが気を失ってからのことなら、まずティーダ・ランスターって管理局員が倒れてるキミを見つけて、アウターヘブン社が管轄しているここまで全力疾走で汗だくになりながら運んできたんだ。あそこで一番近くにあり、なおかつ治療の設備が整っているのはここぐらいしかないからね。ま、危ない所を助けてくれたんだし、今度彼に会えたらお礼を言っておくといいよ」

「そうします……。……でもなんで私、診療所にいるんですか?」

「簡単にいうと、ミッドにある大きな病院は全部怪我人で埋まってる。連日のイモータル襲撃のせいでね。おかげでアウターヘブン社の治療設備までもが毎日フル稼働状態、近くにあった診療所もこうして開放、協力してもらってるってわけ」

要するに無数の怪我人で病院の許容範囲がオーバーしているから、あぶれてしまった病人や怪我人はアウターヘブン社が治療しているってことらしい。窓の外からは診察待ちの人と、医者や看護師に看護婦の人達の忙しそうな声が至る所から聞こえていた。

「私は医療に携わってないけど、薬の在庫管理やデータ整理を任せられているんだ。あと患者の話し相手とかもだね、いわばメンタルカウンセラーって奴かな」

「そうなんですか……。ところでここの人達は他の世界に避難しないんですか? イモータルに襲撃されてるなら、別の世界に逃げた方が安全だと思うんですけど」

「確かにミッドから他の世界に逃げた人も少しいるけど、だからと言って安全とは限らないんだ。ミッドに集中している現在、他の世界ではイモータルは現れなくなったけど、クロロホルルンやグールはこれまで通りに現れる。管理局員のエナジー使いはミッドにいるし、うちの支社長達はオーギュスト連邦との関係維持もあって色々やることが多いから、用事が無い限りミッドに来ることはないし、連絡もする余裕がほとんどない。だからどこにいようと危険は同じ、むしろ対抗できる存在がいるミッドにいた方が安全なのさ」

「はぁ……」

私の、というより先代ひまわり娘の知らない間に、次元世界は相当追い詰められていたらしい。そもそもエレンさんがクレスさんに連絡したのはそこそこ前の話だろうから、その間に情勢が大きく変化していても確かにおかしくはなかった。これは私達の想定不足でもあるだろう。

「……あ、良いタイミングで解析結果が出たよ」

「解析結果?」

「その赤ちゃ
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