運命のエクスシア
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もう条件を飲むしかないのではないか?」
「ラルゴ提督、そう決めるのは早計というものです。まだ相手の真意がわからないのですから。この和平があのイモータルにとってどういう意味があるのか、それを考えてからでも遅くはないはずです」
「その通りだ、ミゼット提督。今回の和平を締結するということは、見方を変えれば我々管理局がイモータルに情けをかけられたともとられかねない。それにだ、これまでイモータルとの戦いで散っていった者達の意思を無下にするわけにもいかないだろう。いざとなれば我々にはこれまで確保してきたロストロギアの力もある、ここは和平の話を蹴って徹底抗戦を行うべきだろう?」
「我々の打てる手は限られている。ファーヴニルの再封印の件もある以上、全てを守るという選択はもはやできない状況に差し掛かってしまった。何を捨てて、何を守るのか……我々は選ばなければならないのだ」
和平に対して会議が行われる中、私はこんな状況になってしまったことを深く悲しんでいた。辛い目に遭った人を世界平和のためだからと言って人身御供にするなんて、私にはとうてい認められそうになかった。
それからしばらく話し合った後、一旦時間を置くということで会議が解散したが……私の胸中は穏やかではなかった。世界と未来を守るためになのはを売るか……それとも子々孫々まで続く戦いを継続するか……。こんなの、決められるはずがない。でも、ヒトが生き残るためには決めなければならない……。
教えて、サバタお兄ちゃん……私は、どうすればいいの……?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぺちぺち。
「ねー。ねー」
ぺちぺち。ぺちぺち。
「…………?」
なんか小さくてぷにぷにの暖かい何かに何度も叩かれ、意識を取り戻した私の視界には、あどけない表情のフーちゃんが私のおでこの辺りを「起きて」と言わんばかりに叩いていたのが見えた。フーちゃんが無事なことを嬉しく思った私は彼女の頭をよしよしと撫でながら、周りを見てみると、どうやら私は窓から朝日が射す小さい診療所のベッドに寝ていたようだ。とりあえず上体を起こそうとしたが腕に力が入らず、再び倒れこんでしまった。
『ふぅ、やっと目を覚ましてくれましたか。これで二度目ですよ、意識を失うの』
「この短時間に二回も死にかけで力尽きるとか、どこかの幻想殺しみたく不幸だと叫びたくなってきた」
二度目ともなると流石に慣れたのか、精神世界のイクスが呆れ顔になっていた。……慣れるのもどうかと思うけど。とにかくあの状況を生き残れたことを内心で喜んでいると、
「おっと、目が覚めてもあまり動かない方が良いよ。解毒剤を注射したと言っても、体の中はまだ回復途中なんだから」
近くの机でノートパソコンをいじる薄紫の
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