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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第47話 甘くて苦いコーヒー
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かに高そうな気がしてきて、手を出せずに戸惑っていると、脇の方から穂乃果がずかずかとのぞき込んでくる。


「な〜んだ、あるじゃん。早く洗っちゃお!」
「お、おい待て穂乃果。そんな気軽に―――」


 時すでに遅し。
手に持った皿とか箸とか。その他諸々をどんどん慣れた手つきで詰め込んでいく。こういうところに鈍感というか、無関心というか。気が付いた時にはキッチンにあった食器全部が、機械の中に埋まっていた。

「これでよし。で、これからどうすればいいのかな?」
「知らないのかよ!?慣れてる感じだったから使い方知っているもんだと思ってたわ!」
「穂乃果が知ってるわけないじゃーん」


 ドヤ顔でそう言われても、威張れる要所はない。
仕方なく、説明書らしき紙が無いか周りをキョロキョロ歩く。当然そう都合よく見つかるはずもない。俺はスマートフォンを取り出して『自動食器洗い機 使い方』と検索をかける。流石は情報化社会。便利すぎて助かります。






〜☆〜





 無事自動食器洗い機も稼働し、沸かしてあるお風呂(西木野家自信作の露天風呂)に各自時間を見つけて入り終わるころには22時を過ぎていた。前回と違うのはお風呂でのハプニングが無かったこと。男として少しだけ残念なような、ほっ安心したような気分だ。
 ハプニングなんて無いに越したことは無いけども、なんだかもったいないような気がしたのも事実。
女の子9人に対して男は俺一人。以前の俺はそんな環境に嫌気がさしていたけれど、慣れというのは恐ろしい。このハーレムじみた状況に慣れているのだ。



 風呂上がりの俺は、肩にかけたタオルで髪についた水滴をふき取りながら冷蔵庫の中を開ける。
何故か奥底にお酒(・・)の缶があるけど当然スルー。見て見ぬふりをして、その隣の缶コーラを手に取る。

 最近缶コーラをどこにいても見かけない故に、手にした瞬間変な感覚を覚える。
プルタブを引っ張り、炭酸独特の空気が抜ける音がし、そのまま口を付ける。


「んんめぇぇぇーっ!!!やっぱ風呂上りは炭酸だろこんちくしょう!!」

 喉を通る刺激が癖になり、思わず大声で叫んでしまった。
すぐに周りを見渡して誰も聞いていないのを確認して息を落とす。


「つか、みんなどこ行った?」


 風呂から上がって、誰ともすれ違わない。それどころか、人の声一つしないのだ。
もう寝たのだろうか?とはいえ、夜の10時を過ぎている。もう寝ている子がいてもおかしくないだろう。
 それでも、耳を澄ませるとかすかに聞こえるピアノの音。
真姫が最後の仕上げでもしているのだろう。聴く限り、メロディーにつっかえもなくスムーズで、三共の完成が近いと思われる。

「サビの部
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