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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十七話 敗戦の余波
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いる。確かに俺達は基地を攻略できなかった、だからと言って帝国軍の敗戦が俺達の所為とは極論……、ではないか、そうか、そういう事か!
「お分かりになったようですな」
「ああ、分かった」
「ミューゼル少将、どういう事だ?」
リューネブルクが俺を見ている。訝しげな表情だ。俺がシュターデンの立場ならやはり俺達を恨むだろう。そして今訝しげな表情をしているリューネブルクを憎むに違いない。
リューネブルクは分からないだろう。あの時、彼は反乱軍の航空攻撃を受け命からがら逃げていたはずだ。周囲を見る余裕などなかったに違いない。だが俺はあの時、味方主力部隊が敗れる所を見ていた……。確かにシュターデンが敗戦の責任は俺達に有ると思うのも無理はない。思わず溜息が出た。
「ヴァンフリート4=2に反乱軍が来た時、グリンメルスハウゼン艦隊は為すすべも無く撃破された。ミュッケンベルガー元帥率いる帝国軍主力部隊は仇を討つべく反乱軍に攻撃をかけた。当初は優勢に攻撃をかけていたんだ、あのままなら勝利を得る事が出来たかもしれない。だが基地からの対空防御システムがミュッケンベルガー元帥を襲った。あれで形勢が逆転した……」
「つまり俺達が基地を攻略していれば帝国軍は負けずに済んだと、シュターデンはそう考えているという事か……」
「そういうことだ」
また溜息が出た。リューネブルクも首を振っている。敗戦の重さというのがひしひしと感じられた。敗戦直後よりも時が経ってたらの方が重く感じる。どういうことだろう……。
「シュターデン少将は敗戦の責任はお二人に有ると考えた。ところが次のイゼルローン要塞攻防戦ではその二人が最大の功績を挙げたと称賛され、総司令部に居た自分は反乱軍の計略に引っかかり要塞に侵入を許したと非難された。ミュッケンベルガー元帥はその責任を取って辞任した……」
「……」
元帥の辞任はそれが理由ではない。だが表面的に見ればその通りだろう。俺も当初はそう思っていた……。
「シュターデンにとって許せなかった事はお二人がオフレッサー元帥の元帥府に招聘されたこと、そしてミューゼル少将の用兵家としての評価が上がったことです。敗戦の元凶にも関わらず軍内部において確実に地位を確立しつつあると考えた」
「……」
用兵家としての評価が上がったか……。味方ではなく敵が評価することで上がった。公論は敵讐より出ずるに如かず、そういうことかもしれない。だが苦い評価だ、俺には少しも喜べない評価だがそれを知る人間はごく僅かだろう……。当然だがシュターデンも知らなかった、知っていればどうしただろう、それでも俺を恨んだだろうか……。
俺の想いをよそにクレメンツの言葉が部屋に流れた。
「そしてオフレッサー元帥を宇宙艦隊司令長官にという話が出た。もし、それが実現すれば
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