最終章
1節―超常決戦―
誰の記憶にも止まらない物語
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最も重い役割を背負っている彼がそう言うのだ、自分達もそれに続かず何とするのか。
「安心しろ、ライト。俺は…いや、俺“達”はそんな程度じゃやられない」
これは世界神にとっての遊戯。
全力で潰そうと思えば幾らでもソウヤ達は潰されるだろう。
だがこれは遊戯だ、つまりこの5万の軍勢はいわゆる前座と考えるのが妥当だ。
不敵な笑みを浮かべるソウヤに、ライトはため息をつくと両肩を上げて「参ったよ」と笑う。
「そうだね、君たちに常識は通用しなかったみたいだ」
「当たり前だろ」
だって、何度も魔族を壊滅してきたのだから。
だって、これまで天使を倒してきたのだから。
だって、これから神をも倒しに行くのだから。
そんなのが“常識に当てはまるはずがない”。
「俺はバランスブレイカー、世界の規則を破壊する者だ」
初めは妖精の中では偉業を成し遂げたから、名付けられた。
次に妖精では到底成しえないことを行ったから恐れられた。
そして人間になって、この世界のルールから解き放たれた。
最後に行うのは、神の常識を覆すこと。
こんな馬鹿げたことは中々ありえないだろう。
だからぶち壊しに行くのだ、「大丈夫だろう」と上から目線の“世界神の常識”を。
故に彼は名乗るのだ。
誇張でもなく、無謀でもなく、奮い立つわけでもない。
本当に彼が『常識を破壊する者』だから、そう名乗る。
「安心しろ、全部まとめて俺達が片付けてきてやる」
ソウヤが『常識を破壊する者』ならば、彼と戦いを共にした仲間達もまた『常識を破壊する者』だ。
妖精ならざる力を持ち、勇者を圧倒した天使でさえ打ち倒す。
だから安心しろと、負けるはずがないとソウヤはライトに笑う。
「――あぁ、安心したよ。ソウヤ」
ライトは心の底から彼の英雄っぽさに笑うと、城門前に集合する時刻を告げ一旦に解散したのだった。
「これから、君たちは世界を救いに行く。そうだろ?」
解散しエレン達がそれぞれ最後の準備に戻った後、会議室にはソウヤとライトのみが残っていた。
表情が暗いライトから発せられる問いに、ソウヤは至極真面目な顔で「あぁ」と答える。
「それが“俺が後悔しない道”だ」
「――――」
溜まりに溜まったストレス、それと対面し乗り越えたソウヤを突き動かすのは“後悔したくない”という想い。
“後悔したくない”から戦い続ける。
“後悔したくない”から世界を救う。
それは、常識人であるライトにとってとても――
「――歪だね、ソウヤ」
元より人は後悔する生き物だ。
“後で悔いる”という手段で人は常に過去
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