暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
3節―刹那の憩い―
天地の光
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じゃあしょうがないな…っと」
「?ソウヤさん、急に立たれてどうしたのです?」

 盛り付ける皿などの食器を持って立ち上がったソウヤは、「さぁ?」とニヤついて移動して座った。
 その席は――

「――わ、私の横!?」
「良いだろ別に、喋るやつが遠いと美味しいご飯も美味しくなくなるからな」

 主賓席のすぐ近くにあるイスに座ったソウヤは、食事の続きをする。

「ソウヤさんは面白いのです」

 エミアはすぐ近くで作法も糞も無い食べ方をしているソウヤを見て優しげに微笑むと、自分も慌てて食事を再開。

 そうしてしばらくの間、ソウヤとエミアは互いに雑談も交わしながら到底2人では食べきれない食事を減らしていくのであった。




「…女王陛下?」
「もう少し御寛容ください」

 食事を終えたソウヤとエミアは、すぐさま元の席に戻り演技も戻すと使用人を呼び片付けさせ始めた。
 そうして移動するとエミアが言い、ソウヤが了解すると――

「あの…いつまで目をお隠しに?」

 ――いつの間にか黒い帯で目を隠されていたのが現状。
 長いこと歩いた気もするが、エミアはもうちょっと、もうちょっとを連呼し聞く耳を持たない。
 どこか行きたい場所があるにしても、目隠しは少し…いやかなり怖いからソウヤは止めてほしかった。

 というのも、ソウヤは元の世界では絶叫系・恐怖系のアトラクションがからっきしだったのが理由。
 つまり、俗にいう“一緒に遊園地に行って面白くない”人間だったのだ。

 ―何かあれば気配でわかるし、すぐに目隠しも外せるから良いが…。

 それでも精神的恐怖というものは、どれだけ肉体面を強化しても変わらないものである。
 すぐ目の前に壁があったら…と目を塞いだ状態で思うと、本当にぶつかった感触を微妙に感じるように、脳というのは思い込みで間違えるのだ。
 思い込まなければいいと言うが、それが出来ればとっくに克服している。

 出来ないからこそ“苦手”なのだ。

「――もう、着いたのですよ」
「あ、あぁ」

 と言っている間に、目的地に着いたようで背中を押していたエミアが離れる。
 口調も“素”になっているところを見ると、周りに誰も居ない、または誰からも見られない場所なのだろう。
 そう思い、ソウヤは普段通りの口調でエミアに聞いた。

「じゃあ、黒い帯を外してもいいな?」
「はいなのです」

 布の擦れる音がして、視界に光が差し込み目に情景が映り始める。
 今いる場所、そこは――

「ぁ…」
「王族お気に入りの場所なのです」

 ――高い、本当に高い木の頂上だった。
 すぐにわかる、ここはエルフ大陸の首都…大樹のてっぺん。
 見下ろせば人々の営みを示す、暖かな
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