第4章
3節―刹那の憩い―
唐突に起こす素
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同じ同郷人として、信頼される人として、出来ないことは無いだろうかとソウヤは少し考える。
考えた結果――
「そっか、なら俺もお前の前でだけは“蒼也”で居ようかな」
「…ぁ」
――ソウヤも、同じことをすることにした。
突然の行動に深春は喉を詰まらせる。
―やっぱり長い間これで喋ってないせいで、少し違和感あるなぁ。
内心、いきなり口調を変えた違和感に苦笑をしながらもソウヤは固まった深春を見た。
「ぃぃ…」
「へ?」
小さく呟いた深春の言葉を、流石のソウヤもいきなりすぎて聞き取れない。
次は聞き流さないぞと耳に神経を集中させたソウヤ。
…しかし、すぐに後悔することになる。
「それいい!!!!!」
「――――ッ」
研ぎ澄まされた耳の中にある鼓膜を揺らしたのは、普通でもびっくりするくらいの大声。
あまりにデカさに、ソウヤは肩を震わせた。
しかしそんなこと知るものかと、深春は興奮した様子でソウヤの両肩に手を置いて顔を近づける。
「それいい、すごくいいよ!なんだかカップルみたいだし!!」
「お、おう…気に入ってもらえて結構だよ」
結構近い距離に深春の顔があり、ソウヤはタジタジだ。
最近良いとこなしで忘れがちだが、深春だって他の仲間に負けていないくらい顔が整っている。
少なくとも、元の世界だったらアイドルにでも成れた…と思えるぐらいには可愛い。
エレン達とあんなことまでしておいて、今更それかと思われるかもしれない。
けれど、また違うのだ。
この世界で出来た仲間達は、“圧倒的な美しさ”や“圧倒的な可愛さ”に目を奪われる。
もちろん性格も良いし、全て元の世界じゃ比較にならないほど。
元の世界で生まれたソウヤはそれでも、何となく“モデル”や“女優”に向けるような、“尊い”という言葉が似合う気持ちでいる。
別次元の存在すぎて、逆にそれ以上の感情を求めてはいけない…と自身で抑えているのだ。
深春は他の仲間達に比べるとやはり外見では一歩劣るだろう。
けれど、それによって逆に別次元にならずに済み、ただ“可愛い”という言葉が似合うのだ。
温かみがあり、“自分では…”という遠慮しがちな思考が起きないのが、今ソウヤがドギマギしている理由である。
正直に言うと、元の世界で深春にソウヤが会っていれば確実に恋に落ちていただろう。
「えっと、深春…顔近いんだけど……」
やっと興奮が落ち着いてきた深春に、ソウヤは周りの視線を感じながら宥める。
完全に落ち着いた深春は、冷静に今の状況と周りの視線を把握し――
「…な、なぁあぁぁぁ」
――意味不明なことを言いながら座り込んだ。
ソウヤは何が言
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