暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
3節―刹那の憩い―
見るべき人々
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めてないのか」

 当然、未だに“世界神(ウィレスクラ)”という勝てるかも分からない存在が、まだいる。
 けれど、そんなの変わらない。

「なら、俺は護らなきゃな」

 “倒せば関係がない”のだから。

 握り拳を作るソウヤに、エレンは肩に手を置いた。

「“俺”ではないだろう、“俺たち”だ」

 そう言って好戦的な笑みを作ったエレンに、ソウヤも釣られて笑う。

「あぁ、そうだな。俺たちが、護るんだよな」
「それが私たちにしかできない“こと”だ」

 「だがその前に」とエレンは大量にある食料品を持ち上げた。

「ここの人に、たくさん食べ物を贈るとしよう」




 “英雄”は凄い。
 いつも誰より前に立ち、普通の人々が行えないことを普通にやってのける。

 でも、とソウヤは嬉しそうに食べ物を貰う人々を見て思う。

 “人”はもっと凄い。
 どんな酷い目にあっても、絶望しても、最後には「これでもか」と立ち上がって見せる。

 だからこそ“英雄”であるソウヤは思うのだ。

 ――立ち上がる人々を、陰から支えたいのだと。
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