第4章
2節―変わらぬ仲間―
終結と布告
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手に持つ“相棒”を天空高く掲げると、不敵に笑う。
この剣とは、長い間共に戦ってきた。
初めは弱かったが、その伸び代はどの剣よりも高く…結果的に今では最強を誇れる。
どこか、この剣と自身は似ていると…ソウヤは心のどこかで思っていた。
努力すれば、鍛え上げれば最強になれる才能を、どちらも持っていたのだから。
「最強は俺の相棒…雪無だよ、ミカエル。この剣に勝るものはどこにもない」
「ふっ…。笑えぬ冗談だ」
ソウヤとミカエルは互いに真剣な表情で得物を構えた。
「じゃあ、今ここで決めようじゃないか…どちらが最強の剣なのかを」
「面白い…やってみ、ろッ!」
空気の壁を突き抜けながら、ミカエルはソウヤの目の前に現れる。
出現と共に振るわれる黄金の剣を目の前に、ソウヤは雪無で受け止めようと構えた。
「なッ…!?」
その行動を嘲笑うかのように、次の瞬間にソウヤは地面を大きく削りながら吹き飛ばされているのに気が付く。
―何が起きた!?
勢いを完全に止めると、ソウヤはその圧倒的な身体能力と卓越した技術によって音速をも超えミカエルに突撃する。
振るわれる巨剣にミカエルはただただ笑みを零すと、黄金の剣を斬撃に合わせるように振るった。
そして、ソウヤの斬撃とミカエルの斬撃が重なる瞬間――
―…見えたッ!
――黄金の剣から神力があふれ出るのをソウヤは確かに確認する。
「ぐっ…うぅっ!」
大きく後ろに吹き飛ばされながらも、まともに打ち合うことの出来ない原因を理解したソウヤは、ミカエルを睨み付けた。
その視線で大体何が言いたいのか理解したミカエルは、大きく口を歪めてソウヤを嘲笑う。
「一時的に神力を纏う…それがその剣の能力か」
「だから言っているだろう?“神々の剣”だと、な」
神しか得ることの出来ない特殊な力…“神力”。
それを“神気”として纏う者は下位存在の攻撃を一切受け付けなくなり、逆に触れる不届き者に粛清を与える力だ。
“全てを拒否する力”を持つソウヤの場合は吹き飛ばされているだけで済んでいるが、それ以外の生物なら打ち合っただけで肉片となっているだろう。
だからこそ神しか持てない…はずなのだが、どうやら目の前の黄金の剣はそれを無視して自らの刀身を“神気”で覆っているらしい。
―なるほど、そんな“最強の武器”を扱う資格を持てるから、“最強のスキル”と言われているのか。
“最強のスキル”を持ち、尚且つ“最強の武器”を手に入れる…そんな豪運、普通の人なら到底叶わないだろう。
どれだけ努力しても、その力は得られないのだから。
「託されたと、言ったな」
「あぁ、我が主が託しくださったのだ…この我に
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