第4章
1節―変わった世界―
本能と理性
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
して一緒に居なきゃいけないんだよ。
なんで吊り橋効果だと知りながら俺に恋したんだよ。
なんで俺を慕ったんだよ。
なんで俺なんだよ。
なんでだよ。
なんで。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。
「――諦めるのか?それとも、続けるのか?」
”俺”の声が聞こえる。
諦めるのは、楽で良さそうだ。
だけど――
「まだ、何もしてない」
「しなくていい」
「まだ、生き物を殺したことの弔いもしてない」
「弔いをやる必要が無い」
「まだ、責任を果たしていない」
「責任なんて捨ててしまえ」
「まだ、自分で力を手にしていない」
「自分で手に入れた力なんて必要ない」
「まだ、”あの目”で見られていない」
「もう見られている」
「まだ、自分を偽ったことに謝罪していない」
「謝罪して何になる」
「まだ、アイツらの気持ちに向き合っていない」
「逃げればいい」
「まだ、”神を殺して”いない」
「他の誰かがやるさ」
俺の言葉に”俺”は静かに反論していく。
それは確かに存在する道の一つで、俺も選択できる道だ。
けれど俺は――
「――まだ、”後悔していない”」
「あぁ、そうだな」
「手も足も動く」
「確かに動く」
「もし、動かなくなっても心臓が動いている」
「まだ動ける」
「俺は、俺達が今一番大事なのはこれだけだ」
「そう、だな。確かにそうだ」
「「――ここで終われば、一生俺は”後悔する”」」
優しげな笑みを浮かべた”俺”は口を開く。
「…初めから、決まってたってことか」
まだ痛みはある。
むしろ先ほどより痛みが増していた。
だが、俺は立ち上がる。
「俺は本能だ。嘘なんてつけないよ」
「確かにそうだ」
俺達は笑う。
自分たちの馬鹿さ加減に。
「俺は大丈夫だから」
「俺は心配ないから」
「「だから、戦おう。”後悔しないために”」」
俺達は拳をぶつけあった。
意識が遠くなる。
俺は本能だ、理性である”俺”に普段は消される運命。
だが、心配はいらない。
この痛みは誰かが”信頼してくれる”証だ。
この痛みは俺が前に”進み続けれる”証だ。
この痛みは後悔を糧に”強くなれる”証だ。
”後悔しない”。
そのためならば、俺はどれだけでも耐えられる。
俺の意識は、そこで途切れた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ