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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十話 狂乱の始まりです。
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・言えない・・・・言えない・・・・!!」
誰かは分らないが、熱に浮かされた様に合唱が始まる。それは与党、野党を問わず巨大な熱波となって議事場を満たした。
「ええ、そうですわ。言えません。それこそが私たちが今まで掲げてきた旗であり、意志であり、大義であり、目標なのですから!」
シャロンが身を乗り出した。一段と大きな彼女の甘美な声が議事場を満たす。
「今こそ、戦うときです!自由惑星同盟130億人が一丸となり、帝国を打倒し、崇高な民主主義の理念を、恒久的平和を、ここに打ち立てるのです!」
シャロンの瞳が輝いた。それにさらされた者たちはまるで麻酔にかけられたがごとく夢遊病のように叫び続けていた。
「シャロン!シャロン!シャロン!偉大な指導者!シャロン!シャロン!シャロン!」
「シャロン・イーリス中将・・・いや、シャロンを恒久的な指導者にするべきではないか!!」
「一中将ではなく、自由惑星同盟の最高元首として、恒久的な指導者として!」
そうだ、そうだ、そうだ!という声が議事場に満ちた。不思議なことにこれを最も忌避すべき最高評議会議長ですらも声を大にして叫び続けている。全員の眼がおかしかった。まるで何かの魔力にかけられたかのように。
シャロンが手を上げると、再び議事場は静まり返った。今やそこにいるのは弾劾者たちと被告ではなかった。絶対的指導者とその前にひれ伏す信者たちだった。
「皆様方が偉大なる指導者だということは充分に承知しておりますが、そのうえでなお、強力な指導者が必要だというのであれば、私は喜んでその任につきましょう。」
狂乱、と言ってもいいほどの歓声が議事場を包んだ。これは自由惑星同盟を建国宣言した時、あるいはダゴン星域会戦での勝利を祝った時、以来だった。
「力こそが大義を支え、力こそが、強大な指導者の下にあってこその庇護が人類を幸福にするのです。あなた方が私を欲するならば、私は可能な限り、あなたたちのために力を尽くしましょう。可能な限りあなたたちの為に私は舞台に立ち続けましょう。」
シャロンは微笑を浮かべた。
「今から新しい歴史が始まります。それは、私と、あなたたちが織り成す究極の理想郷。そこでは皆甘美な世界に時を過ごすことができる。欲する人間は誰一人かけることなく、誰一人漏らすこともなく。そう、そこでは死でさえも究極の快楽として提供されるのだから。」
大歓声が沸き起こる。全員が狂ったようにシャロンの名前を叫び続けている。それを受け止めながら、クク、とシャロンはこらえきれずに笑った。あっけないものだ。自分の魔力と、力と、オーラを使用したものの、これほどあっけなく「堕ちる。」とは思わなかった。もろいものだ、人間という物は。
(いえ、違う。私は提供しただけよ。あなたたち人間が欲する『華美・娯楽・快楽』を。)
そう思いながらシャロ
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