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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十二話 回答
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」
「で、でもボク、ただ、君の事、調べてただけで……」
「相手の研究は俺も普通にしますよ」
「く、クラナ選手の、能力の、弱点、突いただけ……」
「それも普通です。と言うか、俺の能力の場合、それを考えない人の方が少ないです」
「に、逃げてた、だけ……」
「正確には、攻撃を受けないよう自分の位置を隠蔽しつつ、適宜遠隔による攻撃を行っていた、ですよね」
クラナによって、出した自己評価を次々に上昇志向に修正され、クレヴァーがしどろもどろになるのを、ライノが面白がるようににやりと笑ってみる、しかしそこに至って、クレヴァーはひときわ暗い表情でうつむいた。
「でも……僕、格闘、出来ないから……IMの、男子は、肉弾戦が、普通……」
「え、そうなの?」
その言葉に、クラナが首を傾げてライノに問う。彼は一つ肩をすくめると、心底くだらないと言わんばかりに少し不機嫌な顔で言った。
「あー、そうか、お前はそう言うのあんま詳しくないか……そう言う面もあったんだよ、昔からな、てか、お前とかオレが固有魔法と格闘の組み合わせで勝ち上がるようになってからが、魔法戦型の台頭だったんだぜ?」
「へー」
「けどな、言っただろうが、そんなんルールには書いてねぇ、やろうとするやつがいないだけで、格闘戦無しでも勝ち上がれないかなんてのは分からねぇって、なんでそう変なところで卑屈になるかね」
「でも……」
しかしそれを聞いても、クレヴァーの表情は晴れなかった。この弱気さは、彼の価値観の根底に根差すものだ。晴らすのがそう簡単ではないのはライノも分かっている。ただ……今回は少し、勝手が違う。
「……あの、こういう事、今、俺が言うのは何なんですけど……」
何故なら、今日はこの場所に
此奴
(
クラナ
)
が居るからだ。
「……俺は、凄いと思ったよ、レイリ―の戦い方」
「……!」
「正直、術式に直接干渉して俺の加速を封じてくるなんて想像もしてなかった、完全に意表を突かれたし、焦ったよ。対応し切れて、まして勝てたのは、半分くらいは偶然だ。あれだけの幻術が使える奴も、初めて見た。あんなに正確に、多彩に幻術で惑わしてくるなんて、管理局にもそうそう居ないよ」
「ぼ、僕は……そんな……」
目を白黒させて両手を振りながら数歩後退するクレヴァーに、クラナがズイッと詰め寄る、真っすぐに目を合わせたクラナの黒い瞳が、吸い込みそうなほど近くでクレヴァーを見ていた。
「それにさ、レイリ―……俺、すっげー楽しかったんだ」
「……!」
「ずっと、最初から最後まで神経張りしっぱなしでさ、耳の後ろがチリチリして、一手でも間違えたら負けると思ったら、凄く緊張した。でも、そんな風に全力で競い合える奴と出会えて、レイリ―と試合出来て、本気で、心の底から楽しいって思えた。出来るなら……」
「
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