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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十二話 回答
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。と言うか、あれはついさっきまで試合をしていた……

「クラなふげっ!?」
「逃げんな!」
「?」
咄嗟にその場から逃げ出そうとして、ライノに首根っこを掴まれて引き留められる。これが世界代表戦準優勝の実力か。結局、強制的にクラナと向き合わされることになったクレヴァーは、クラナの顔を直視できないまま、会話に入る羽目になった。

「…………」
「……?えーっと?」
「よし、うんじゃ改めて紹介するわ。こいつ、クレヴァー・レイリ―」
「ど、どうも、です……」
「んでこっちがクラナ・ディリフス・タカマチ」
「あ、うん、よろしく……って、え?これ、どういう状況?」
何故に今更クラスメイトから同学年の男子を紹介されているのかという話はお互いこれまでさほど面識はなかったので置いておくとして、なぜこんな場所でそれも今?そんな疑問を込めてクラナはライノを見る。と、彼は肩をすくめて答えた。

「いやなに、ついさっきまで互いに競い合ってた同級生を、自己紹介もしないままにしとくってのもあれだろうと思ってな?」
「……成程?」
「…………」
それにしては相手が完全にだんまりなのはどういう事だろう、という疑問はさておき、それならばと女性陣が居ないためか珍しくクラナの方から自己紹介に入る。

「えっと……クラナ・ディリフス・タカマチです。先ほどはどうも」
「あ、い、いえ、こちら、こそ、クレヴァー、レイリ―、です。先ほど、は、すみません、でした」
「?すみません?って……」
突然詫びを入れてきたクレヴァーに、クラナは首を傾げる、すると彼は慌てて補足するように、ますます身を縮こまらせていった。

「あ、その、さっきの、あんな、小賢しくて、小狡い、戦い、方、IMの、名前を、汚した、かなって……」
「……え?いや、さっきの試合の話、ですよね?」
「おう、こいつそう言ってんだわ」
「…………」
俯いて、落ち込んだようにそう本気で言っているらしいクレヴァーを見て、クラナは幾つかの複雑な表情をした後、頭を掻いて返した

「えっと、取りあえずですね……ちょっと何言ってるのかわからないです」
「はっ……?」
「あの、その小賢しいとか小狡いとか、そんな感じの人と試合した覚えないです。俺がさっき試合したのは、自分が持てる限りの魔法で全力で俺を倒しにかかってきた、手強くて尊敬できるライバルだったって記憶してます」
「ら、ライバッ!!?」
誰だ其れは!?と言わんばかりに目を見開いて、余計にクレヴァーがおどおどとし始める。言われたことが、まるで信じられないと言った様相だ。その様子に、思わずクラナは苦笑した。

「あの、あれだけ追い詰められた方としては、その相手がただの小賢しいだけの相手だったとかってなるとそっちの方がよっぽどへこむんですけど……
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