暁 〜小説投稿サイト〜
Unoffici@l Glory
1st season
6th night
[3/4]

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会ったが100年目ってなぁ!」

 一瞬ひるんだ青年だったが、ギアを上げて気合を入れなおす。距離が開かないうちに、進入からクリアまでの速度差が一番少ないメリットを生かし、二台とのバトルに持ち込む。

「C1(ココ)でやるってんなら、俺も混ぜてもらおうか!あの時ズルズル引っ張っちまったが、今日はきっちりケリつけさせてもらうぜ!」



 エボXとインプはいつも通り二台でC1に繰り出し、一周して流れを確認した二台がペースを上げていくと、すぐに後ろからエリーゼSCが襲い掛かって来た。

「いつぞやのエリーゼか……あの時は結局ガス欠寸前までもつれ込んだからな。今度こそ決めておさらばだ!」

 しかし、どれだけ速く振り切ろうと少しでもアクセルを長く開けても、高速区間がほとんど存在しないC1においては、車体の軽さを武器に高いコーナリングスピードを維持しながら走れるエリーゼを完全に振り切ることはほぼ不可能。必然として三つ巴のバトルとなる。

「……このままじゃジリ貧ってわけか、仕方ねぇ!」

 赤坂ストレートでも振り切れず、先行していたエボXの青年が芝公園から外側にラインを振る。芝浦から横羽線に入るルートだ。

「ここから先はスピードレンジが上がるぜ……ついてこれっか!?」



 横羽線は湾岸線ほどではないとはいえ高速区間。しかし、スピードが上がった車に襲い掛かるバンピーな路面と、幾度となく待ち受ける細かいコーナーが主体となる。青年の乗るエリーゼのような旋回性能の高いミッドシップマシンからすると、予期せぬタイミングで姿勢を崩され、スピンを誘発しかねない。しかし彼は、そんなことなど気にせず同じスピードで飛び込んでいく。

「上等じゃねぇか……こいつで行けるところまで行ってやるさ!」

 彼のエリーゼは、「ゴシップハンター」の手により、C1で速く走れて安定するセッティングに変更されている。彼はとある雑誌に載せられていた、ストリート仕様のMR−Sを参考にしたとのこと。その雑誌の企画では、タイムにおいては加速力に勝るハイパワー4WDマシンを圧倒していた。

「いずれ、もっととんでもねぇバケモンに乗らなきゃ、Dには近づけない。ならこれくらいのスピードレンジで引いちゃいられねぇ!」

 ギアを上げ、マシンに鞭を打つ。その体に遅い来る、圧倒的な横の揺さぶりに耐えながら。



 しばらくもつれ込み、ポジションを入れ替えながらも決着をつけきれないまま羽田トンネルを超えると、三台とも追い越した覚えのない車が追い付いてきた。

「なんだ……?」

 最後尾にいたエリーゼの青年が気付いた時には、既に迫りくる赤い影。つい先ほど、湾岸線でアウディR8に置いて行かれたF40だ。

「うっそだろ……このペースについてくる
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