1st season
6th night
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った溢れるほどのパワーをいかんなく発揮し、エンジンが甲高い叫び声をあげる。
「あの35R、今度見かけたら必ず叩き落してやるからな……ん?」
しかし、鼻息荒く飛ばす男の後ろから、黄色い稲妻が襲い掛かる。新進気鋭のショップ、「ガレージ・フェイト」が手を入れたR8 FSIだ。
「丁度いい。こいつを食い散らして景気付けといくか!」
F40はアクセルをさらに踏み込み、最高速勝負に持ち込んだ。急激なトルクに耐え切れず、暴れるマシンを抑え込む。
「ふーん……車はそれなりにやってるみたいだね。だけど……」
R8のドライバーであり、「ガレージ・フェイト」の社長でもある「金色の不死鳥」は、F40からつかず離れずの距離にいつつ、何かを仕掛ける様子もなく、ただ観察するかのように静かに追い回す。
「そんな骨董品を走らせてあの『D』に挑むには、ちょっと走りが荒すぎるんじゃないかな……っとお兄さん思うんだけどねぇ」
しかし、展開そのものは静かとは言えど、スピード領域は疑うことなくトップギア高回転、280キロ台での最高速バトル。一般車を避けていく中で、F40の挙動がユラユラとブレはじめる。
「まぁ安心しな。決してアンタが下手なわけじゃないさ。そんな車をこんな領域でちゃんと走らせれるだけたいしたもんだ。ただまぁ……」
その様子を見た不死鳥は、パスするためにラインを変え、さらにアクセルを踏みつける。エンジンが甲高い遠吠えを上げ、揺らめくF40の前に空気の壁すらないかのようにスルスルと出ていった。
「……相手と運が悪かったんだよ、アンタは」
既に300キロを超えていながら、なおも圧倒的な加速力の差を見せ付ける。R8のバックミラーからF40の姿が見る見るうちに消えていった。その彼こそが、現在湾岸線最速と謡われる存在である。
「最高速の世界は甘くないってことさ。出てこい……『Dの遺産』……」
同じ時間帯。C1内回りをロータスエリーゼSCが走りこんでいる。「ゴシップハンター」のショップに出入りしている青年だ。
「この車じゃあ、あの最高速エリアは無理だ……あのオッサン、ここで誰に勝てって言ってたっけ……?」
江戸橋を過ぎた所、その遥か後ろから、ものすごい勢いで一台の車が青年を追い越していった。
「うっそだろ……なんだよ今の……っ!?」
呆気にとられている彼をもう一台の車が追い越していく。バトルの最中といったところか。
「こっちなんて見てねぇってわけか……せめてその面だけでも拝ませてもらおうか!」
青年もさらにペースを上げ、二台の後ろに張り付く。その二台は、いつぞやのバトルで決着のつかなかったインプレッサ22BとランエボXだった。
「野郎、ここで
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