第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
封印と未来
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に、旅する仲間は美女美少女しかいなかった。
しかも、ソウヤは馬鹿でもないし鈍感でもない。
エレンやルリを初め、恋心を自身に持っていることは分かっていた。
当然、ルビもだ。
それは全部吊橋効果と言われる、いわゆる卑怯のおかげに等しい。
吊橋効果を含めなくとも、ソウヤは今現在も元の世界に戻る気である。
ならば、エレンたちも連れて行けばいいじゃないかと思うかもしれないが、それは出来ない相談だった。
―あいつらは、俺達の世界へ”行けない”。
ある日の真夜中、ギルティアに呼ばれたソウヤは2人で部屋の中で互いに見合う形で座っていた。
「何故お主だけをここに呼んだか、わかるかの?」
静かにソウヤは頭を横に振るう。
「お主に聞きたかったのじゃ――」
ギルティアはソウヤの瞳をじっと見る。
心のなかまで見透されているような気がして、ソウヤは背筋から鳥肌が立つ。
「――もし、世界神を倒した後どうする気じゃ?」
「――――――」
その答えを、すぐにソウヤは出せなかった。
否、違う。
”答えあったが言えなかった”のだ。
それほどの威圧を、ギルティアはソウヤに放っている。
「俺、は…」
本当に言って良いのか。
言って後悔はしないのか。
それを突き通す覚悟はあるのか。
その全てを、ギルティアは瞳で聞いてくる。
だから、ソウヤはそれを一身に受けて…口を開く。
「俺は……”元の世界に戻る”」
「アヤツらを置いておいてか?」
ソウヤの答えを予想していたばかりにギルティアはすぐに返す。
その問いに、ソウヤはすぐ答えた。
「あいつらが、付いて行くというのなら、連れて行く」
そういった瞬間、ギルティアの視線が一気に鋭くなる。
天使でさえも倒すことが出来るはずのソウヤは、その視線に当てられ背中が凍るのを感じた。
確かに、実力では圧倒的にソウヤが勝つ。
だがこの威圧は、重みはステータス伝々だけが起こしているものではない。
”経験”による威圧なのだ。
「連れていける、と思うのか?」
手が震える。
無意識に唾が貯まる。
――恐怖を感じる。
力を抜けば一気に腰が抜けそうなほどの重圧に襲われながら、ソウヤは答えた。
「連れて、いけるのなら――」
「――無理じゃ」
即答。
ほんのコンマ1秒も許さずギルティアはソウヤの言葉をぶった切る。
「何故だ…。あの男は俺達を転移させてみせたのだから、その逆も出来るはずだ」
「出来るじゃろうな、確かに」
その言葉に、ソウヤは疑問を抱くほかなかった。
「ならなぜ――!」
思わず声が昂ぶるソウヤに、ギルティ
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