第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
封印と未来
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しばらく沈黙していたルビが、不意に声を上げた。
「反省は…」
「当然」
「後悔は…」
「もちろん」
土下座しそうな勢いで意気消沈しているソウヤ。
それを見て本当らしいと結論に行き着いたルビは小さく溜め息をつくとソウヤに近づいていく。
「…封印、する?」
「あぁ、頼むよ」
コクリと頷いたルビは、両手を上げてソウヤの両頬を優しく包み込み顔へ引き寄せる。
息が掛かりそうなほどに近付いた2人。
恥ずかしいのか赤面し始めているソウヤは、どもりながらもルビに話しかけた。
「えと…な、なんでこんなに近く…?」
「――――――」
それに答えること無くルビはソウヤの顔をずっと見つめる。
身体中から汗が吹き出てくるほど身体が熱くなったソウヤは、けれどルビの顔に目を向けた。
ルビの顔は一言で表すのなら、フランス人形だ。
全身が細く、脆そうな雰囲気がありどこか儚い美少女。
銀髪赤眼がそれを倍増していると言っても過言ではない。
今の今まで多くの美女美少女と旅を共にしてきたソウヤだが、改めて顔をじっくり見るとその美しさに目を奪われた。
そして、ソウヤがルビに見とれていると――
「んっ――」
「――――――ッ!?」
――不意に唇に伝わる熱。
餅のように柔らかく、炎のように熱い。
その感触がソウヤに伝わったのはほんの一瞬。
その感触が愛おしくて、行ってほしくなくてソウヤは離れたルビの顔を引き寄せた。
「――――――!」
ソウヤの時とはまた違う驚きの声を上げたルビは、嬉しそうに顔を綻ばせてそれを受け入れる。
時間の感覚が狂ったようで、何時間もこうしていたような気がする。
ソウヤはゆっくりとルビから顔を離すと――
「…っは!?」
――顔をゆでタコのように真っ赤にした。
「ソウヤ…結構、積極…的?」
「ち、違う違う違う違う違う違う!」
俺は何をやっているんだろうと地面に頭を打ち付けるソウヤ。
そうして1分ほどずっと悶えていると…不意に顔を上げた。
「――そういえば、封印の話はどうなったんだ?」
その言葉に「あぁ…」とルビはあくびが出そうなほどのんびりとした声をだし――
「最初のキスで、終わらせた」
――さも当然かのように封印を終わらせていた。
―おい待て。
ソウヤに嫌な予感が脳内を駆け巡る。
―ということは…!
”最初の”キスは封印のための行為。
まぁ、それなら”2度目の”キスするさいにソウヤがルリの頭をゆっくりと引き寄せられたのも納得が行く。
問題はその”2度目の”キスには何の意味もなく――
「す、すまんっ!」
「――――――?あぁ
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